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ベクティビックスは頭頸部癌の生存期間を延長しない

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ベクティビックスは頭頸部癌の生存期間を延長しない

キャンサーコンサルタンツ

頭頸部の扁平上皮癌の再発、または転移症例において、標的治療薬ベクティビックス(パニツムマブ)を化学療法に追加しても、化学療法単独治療と比較して生存期間の有意な延長は示されなかった。第3相臨床試験におけるこの結果は、アムジェン社からのプレスリリースに掲載されており、近く開催される学会でも発表される予定である。

 

頭頸部癌は口腔、鼻腔、咽頭、喉頭、あるいはこれらの臓器周囲から発生する。頭頸部癌のリスク因子としては、喫煙、アルコール摂取、またはヒトパピローマウイルス(HPV)高リスク型の感染などがあげられる。頭頸部癌においては、体内の他の部位に癌が転移してしまった患者や、初期治療後に再発した患者に対する治療選択肢は限られている。研究者らは、これらに有効な最新の治療方法を探究している。

 

標的治療とは、癌細胞の増殖や接着生存に関与する特定の経路を防ぐ抗癌剤治療である。標的療法には、増殖経路が癌細胞に到達するのを遮断するものや、癌細胞への血液供給を低下させるものや、癌細胞を認識し攻撃するように免疫機構を刺激するものもある。「標的」がなにかにより、標的療法は癌細胞の増殖を遅らせるか、癌細胞の死滅を促進させることができる。

 

ベクティビックスは、上皮成長因子受容体(EGFR)として知られているタンパク質を標的とし、癌細胞の成長と生存を妨げる。ベクティビックスは、EGFRを発現する転移性結腸・直腸癌で、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンなどを含む化学療法レジメンの使用中あるいは使用後に進行した症例に承認されている。ベクティビックスは、KARS遺伝子の変異を示さない患者にのみ効果があるようである。KRAS遺伝子の変異は、転移性大腸癌患者のおよそ40〜50%に認められると考えられ、癌細胞の検体検査にて同定できる。

 

進行性の頭頸部癌におけるベクティビックスの有用性の有無を調べるために、再発あるいは転移性の頭頸部扁平上皮癌患者658人を対象とした第3相臨床試験が行われた。患者は化学療法単独の治療、もしくは化学療法とベクティビックスを併用する治療のいずれかを受けた。化学療法にはシスプラチンと5−FUを使用した。

 

関心を惹いた主要評価項目は、全生存期間である。奏効率と無増悪生存期間についても評価した。
全生存期間は、化学療法とベクティビックス併用群では11.1カ月であるのに対し、化学療法単独群は9.0カ月であった。この2群の間には統計学的な有意差はなく、偶然に起こった可能性が示唆される。
癌の無増悪生存期間においては、化学療法とベクティビックス併用群では5.8カ月であったが、化学療法単独群は4.6カ月であった。
治療に対する奏効率(検出可能な癌の減少)は化学療法とベクティビックス併用群では36%、化学療法単独群では25%であった。
ベクティビックス使用における一般的な副作用は、吐気、嘔吐、発疹、白血球減少などであった。

 

試験結果の詳細については、10月の35th European Society for Medical Oncology(ESMO)カンファレンスで発表される予定である。

 

今回の結果は、頭頸部癌患者の期待に添えるものではなかったが、ベクティビックスは一部の転移性大腸癌患者においては依然重要な治療の選択肢である。

 

参考文献: Amgen News Release. Amgen announces top-line results of phase 3 head and neck cancer trial. August 11, 2010.参考文献:
[1] Reulen RC, Winter DL, Frobisher C, et al. Long-term Cause-Specific Mortality Among Survivors of Childhood Cancer. JAMA. 2010;304:172-179.

 


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原文掲載日

翻訳石渡容子

監修林 正樹(血液・腫瘍科)

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