セレブレックス®は結腸直腸腺腫の再発を減少させるが、心血管系疾患のリスクを高める | 海外がん医療情報リファレンス

セレブレックス®は結腸直腸腺腫の再発を減少させるが、心血管系疾患のリスクを高める

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

セレブレックス®は結腸直腸腺腫の再発を減少させるが、心血管系疾患のリスクを高める

キャンサーコンサルタンツ
2006年8月

2つのランダム化試験によって、セレブレックス(セレコキシブ)が結腸直腸腺腫再発のリスクを減少させることがわかった。しかし、セレブレックスの使用は、心血管系の副作用のリスクを増加させた。これら2つの試験の詳細は、New England Journal of Medicineの2006年8月31日号に掲載された。

 

シクロオキシゲナーゼ(COX)はプロスタグランジン合成を触媒する酵素である。COX-1及びCOX-2は2種類のアイソフォームで、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)により阻害される。COX-1は、多くの細胞種において構成的に発現しており、一方COX-2は誘導酵素で、その発現及び活性は、種々のサイトカイン、成長因子、発癌プロモーターに対する反応によって亢進される。シクロオキシゲナーゼ2は結腸直腸癌の71%から85%において過剰発現している。2つの強力なCOX-2阻害剤、セレブレックス及びVioxxは、結腸直腸癌の予防に対する第3相試験中であったが、心血管毒性の増加に対する懸念から、最近これらの試験は中止された。

 

1つ目の臨床試験は、特発性結腸直腸腺腫ポリープの予防(PreSAP)試験と呼ばれ、事前に腺腫を摘出した1561人の患者が参加した。これらの患者のうち、840人が毎日400mgのセレコキシブ投与を受け、557人はプラセボを投与された。フォローアップのための結腸内視鏡検査を、1年後には89%の患者が受け、3年後には79%が受けた。

・3年後の時点で、腺腫は、セレブレックスを投与された患者のうち33.6%に検出されたのに対し、プラセボを投与された患者では49.3%であった。
・3年後の時点で、進行性の腺腫は、セレブレックスを投与された患者のうち5.3%に検出されたのに対し、プラセボを投与された患者では10.4%であった。
・重篤な心血管系副作用は、セレブレックスを投与された患者のうち2.5%に発生したのに対し、プラセボを投与された患者では1.9%であった。

 

腺腫予防試験(Adenoma Prevention with Celecoxib Trial:APC)試験医師により実施されたセレコキシブの試験は、結腸直腸腺腫の既往歴のある2035人の患者において、プラセボに対する1日用量200mgと400mgの比較を行った。患者は、薬剤又はプラセボの投与を2.8~3.1年間受けた。最初の分析データが、2005年3月にNew England Journal of Medicineに掲載された(関連ニュース参照)。現在の分析では、1年後の90%の患者及び、3年後の76%の患者における、結腸内視鏡フォローアップ試験も含まれている。

・3年以内に、フォローアップ結腸内視鏡試験により、プラセボを投与された患者の約61%、低用量のセレブレックスを投与された患者の43.2%、高用量のセレブレックスを投与された患者の37.5%に、腺腫が検出された。
・重篤な副作用は、コントロール群では19%の患者に発生したのに対し、セレブレックス群では20.4%であった。
・心血管系副作用のリスクは、低用量セレブレックス群では2倍、高用量セレブレックス群では6倍増加した。

 

試験医師らは、セレブレックスの使用は、以前に腺腫の診断を受けた患者において、その後の結腸直腸腺腫のリスクを有意に減少させる、と結論付けた。しかし、セレブレックスの使用はまた、心血管系副作用のリスク増加を伴うことから、予防的薬剤としての使用には安全でない可能性がある。

 

コメント

COX-2阻害剤は、大腸における腺腫の再発を予防することは明かであるが、心血管毒性の有意な増加の可能性も伴うことから、本目的のための使用は除外されるだろう。加えて、このようなポリープ再発の予防が、結腸直腸癌の罹患を減少させるのかどうか、いまだ立証されていない。

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳Oonishi

監修瀬戸山 修(薬学)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3光免疫療法:近赤外線でがん細胞が死滅
  4. 4BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  5. 5COX-2阻害薬と抗PD1免疫療法薬併用でIDO1発...
  6. 6若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8FDAがベバシズマブとトラスツズマブのバイオ後続品を...
  9. 9治療が終了した後に-認知機能の変化
  10. 10ペムブロリズマブ、欧州にて局所進行・転移性尿路上皮が...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他