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HER2標的療法の併用が乳癌に効果

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HER2標的療法の併用が乳癌に効果

キャンサーコンサルタンツ
2010年12月

早期HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)陽性乳癌女性患者について、HER2標的療法単独よりもHER2標的療法を併用した治療の方が良好な結果となる可能性がある。これは2010年開催の第33回サンアントニオ乳癌シンポジウムで発表された2つの試験の結論であった。
それら試験うちの1つはハーセプチン(トラスツズマブ)およびタイケルブ(ラパニチブ)を術前(手術前)に投与して検討し、もう1つの試験は術前にハーセプチンおよびペルツズマブ[pertuzumab]を投与して検討した。

 

約20%〜25%の乳癌でHER2として知られているタンパク質を過剰発現している。幸いなことに、特にHER2陽性乳癌を標的にした薬物の開発が改善をもたらしてきた。これらの薬物にはハーセプチン、タイケルブ、および試験途上の薬物ペルツズマブがある。

 

HER2標的療法の併用は転移性乳癌女性患者の試験で良好な結果を示しており、また、研究者らは早期乳癌女性患者でこれらの併用療法を検討している。

 

NeoALTTO(Neo- Adjuvant Lapatinib and/or Trastuzumab Treatment Optimisation)試験は早期HER2陽性乳癌女性患者455人が参加した第3相臨床試験である[1] 。この試験では、手術可能で癌が2cmよりも大きい女性患者のみを対象とし、炎症性乳癌女性患者は除外された。試験参加者を以下の術前(手術前)補助化学療法群3つのうちの1群に振り分けた。
1) タイケルブ+標準的化学療法
2) ハーセプチン+標準的化学療法
3) ハーセプチン+タイケルブ+標準的化学療法

 

本試験の主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR)率であった。pCRは手術時に検出可能な癌の消失を意味する。術後、患者には追加で標準的化学療法およびHER2標的療法を行った。

•奏効率はハーセプチンおよびタイケルブを併用して治療した女性患者で最も高かった。pCR達成率は、ハーセプチンおよびタイケルブを併用した女性患者で51.3%、ハーセプチンで治療した女性患者群で29.5%、タイケルブで治療した女性患者群で24.7%であった。

 

もう1つの試験は、 NeoSphere(Neoadjuvant Study of Pertuzumab and Herceptin in an Early Regimen Evaluation)試験として知られている第2相臨床試験で、研究者らは417人のステージIIまたはステージIIIのHER2陽性乳癌女性患者を試験の対象にした[2] 。試験参加者を以下の術前補助化学療法群4つのうちの1群に振り分けた。
1)ハーセプチン+標準的化学療法
2)ハーセプチン+ペルツズマブ+標準的化学療法
3)ハーセプチン+ペルツズマブ(標準的化学療法なし)
4)パーツズマブ+標準的化学療法
術後、患者には追加で標準的化学療法およびハーセプチン投与を行った。

•奏効率はハーセプチン、ペルツズマブおよび標準的化学療法の併用で治療した女性患者で最も高かった。pCR達成率は、3種類すべての薬物で治療を行った女性患者で45.8%、ハーセプチン+標準的化学療法で治療を行った女性患者で29%、ペルツズマブ+標準的化学療法で治療した女性患者で24%、そして、標準的化学療法なしのハーセプチン+ペルツズマブで治療した女性患者で16.8%であった。

 

2つの試験をまとめると、これら試験からHER2標的療法の併用がHER2陽性乳癌に最も効果的であることが示唆される。

 

参考文献:
[1] Baselga J, Bradbury I, Eidtmann H et al. First results of the NeoALTTO Trial (BIG 01-06/EGF 106903): A phase III, randomized, open label, neoadjuvant study of lapatinib, trastuzumab, and their combination plus paclitaxel in women with HER2-positive primary breast cancer. Presented at the 33rd annual San Antonio Breast Cancer Symposium, December 8-12, 2010. Abstract S3-3.
[2] Gianni L, Pienkowski T, Im Y-H et al. Neoadjuvant pertuzumab (P) and trastuzumab (H): antitumor and safety analysis of a randomized phase II study (‘NeoSphere’). Presented at the 33rd annual San Antonio Breast Cancer Symposium, December 8-12, 2010. Abstract S3-2.

 


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翻訳有田 香名美

監修峯野 知子(分子薬化学/高崎健康福祉大学薬学部准教授)

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