アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB):癌リスクに関する継続中の安全性審査

アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB):癌リスクに関する継続中の安全性審査

心臓病専門医、腫瘍医および家庭医向け

原文

2010年7月15日 問題点:最近公表された試験(いくつかの臨床試験における癌関連の結果を併合したメタ解析)にて、ARB使用と癌リスクの軽度な上昇との関連性が示唆された。 背景:ARBは高血圧や他の症状を伴う患者に使用されている。商標名には、Atacand、アバプロ、Benicar、コザール、ディオバン、ミカルディスおよびTevetenがある。 本メタ解析に含まれたデータは、ARBに関する癌関連の有害事象を試験期間中に記録して評価したいくつかの長期ランダム化比較対照試験における1000名以上の患者から得られた。平均追跡調査期間は1.7〜4.8年であった。 試験結果によると、新規癌の発症率はARB非投与患者で6.0%であったのに対し、ARB投与患者で7.2%であった(リスク比=1.08、95%信頼区間:1.01〜1.15)。癌による死亡では、統計学的な有意差は認められなかった。 推奨:FDAは、ARBによって癌のリスクが上昇するとは結論付けていない。同局は、この安全性の問題に関連する情報を審査しており、追加情報が得られ次第公表する予定である。また、ARBのベネフィットはリスクの可能性を上回ることに変わりはないと考えられている。 医療従事者や患者に対し、これらの製剤の使用に関連した有害事象や副反応をFDA MedWatch Safety InformationおよびAdverse Event Reporting Programに報告することを推奨している。 ・オンライン:www.fda.gov/MedWatch/report.htm ・電話:1-800-332-1088 ・メール:料金別納郵便としてFDA form 3500(MedWatch の「Download Forms」のページからダウンロード可能)を住所記載済みの書式で提出すること。 ・ファックス:1-800-FDA-0178

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