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2006/11/28号◆特集記事「大腸腫瘍で癌幹細胞が発見」

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2006/11/28号◆特集記事「大腸腫瘍で癌幹細胞が発見」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2006年11月28日号(Volume 3 / Number 46)
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特集記事

大腸腫瘍で癌幹細胞が発見

2チームの研究者らによって、結腸癌患者の腫瘍から癌幹細胞が発見された。腫瘍細胞をマウスに移植した場合、ほとんどの腫瘍細胞では腫瘍を形成しないのに対し、その癌幹細胞では元の腫瘍に類似した腫瘍が形成された。

大腸癌はこれらのまれな細胞との関連が新たに明らかになった癌種である。このまれな細胞は1994年に急性骨髄性白血病で初めて発見され、その後乳癌や脳腫瘍で見つかった。11月19日のNatureオンライン版掲載の2試験に、これらの知見が収載されている。

ある一部の研究者らは、癌幹細胞は多くの癌を支える推進力となっているため、この細胞を発見する技術が向上するにつれて、近いうちに全ての癌種で発見されるだろうと考えている。カナダとイタリアの研究者による新試験は、この見解を裏付けている。

「われわれの得た知見から、大腸癌はこのまれな細胞片によって始まり成長するといえる」カナダの研究チームの主導研究者、トロント大学のDr. John Dick氏は語る。同氏は1994年に白血病幹細胞を発見した研究チームの主導者でもある。

この新試験において彼は、「大腸癌の全ての腫瘍細胞が新たな腫瘍を発生させ、それらを成長させる能力を同様に有するか?」という疑問を投じた。この答えは否であることが明らかになった。CD133と呼ばれる表面タンパクを産生する腫瘍細胞の一部のみが、マウスに新たな腫瘍を発生させることが可能であった。

大腸癌は、組織が階層化するのと同じように、癌幹細胞が特異的な細胞を発生させるための“前駆”細胞を発生させている可能性が本結果によって示唆されると、Dr. Dickは語る。

成人の組織にある正常な幹細胞と同様に、癌幹細胞は、腫瘍細胞を発生させながら無限に分裂する可能性がある。それゆえ、効果のある治療を行うためには、癌幹細胞を根絶する必要があるように思われる。

しかしこれらの細胞は破壊されない方法を獲得してしまっている。例えば、この細胞は一部の白血病の癌幹細胞と同様に休止期に入る可能性がある、とDr. Dickは述べた。

ローマのIstituto Superiore di SanitàのDr. Ruggero De Maria氏主導のイタリアの研究チームはまた、潜んでいる癌幹細胞を同定するためのマーカーとしてCD133タンパクを用いた研究を行った。研究チームがテストした結果、大腸の腫瘍細胞の約2.5%がCD133陽性であった。

このタンパク質は多くの癌幹細胞に存在するようだが、CD133陽性である全ての細胞が癌幹細胞とは限らない。次の段階として、イタリアの研究者らは癌幹細胞そのものにつながる可能性のあるさらなるマーカーを探索している。

「われわれは異なる腫瘍由来の癌幹細胞バンクの準備もしています」Dr. De Mariaは語る。「腫瘍の原因となる大腸癌幹細胞の培養細胞が入手可能になることによって、より有効な治療法が生み出されることをわれわれは願っています」。

同様の結果となったこの2つの研究は「当面の課題を速やかに検証」できると、本研究には関与していないデューク大学医療センターのDr. Jeremy Rich氏は語る。

先月彼の研究チームは、脳腫瘍の1種である膠芽腫の癌幹細胞は放射線に対し抵抗性をもつ可能性があると報告した。大腸癌幹細胞に関するある一部の研究結果は、膠芽腫の癌幹細胞がもつ特徴と驚くほど似ていた、と彼は述べた。

このことは、癌の生物学的特徴はその本質において異なるというよりもむしろ似ていることを暗示しており、これは治療と密接に関わってくることだ」と、Dr. Richは語る。

— Edward R. Winstead

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Okura 訳

平 栄(放射線腫瘍科)、大藪友利子(生物工学) 監修

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