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米国産科婦人科学会の新規ガイドライン、日常的な遺伝的リスク評価を推奨

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米国産科婦人科学会の新規ガイドライン、日常的な遺伝的リスク評価を推奨

キャンサーコンサルタンツ
2009年4月

米国産科婦人科学会(ACOG)および婦人科腫瘍学会(SGO)は、より徹底した遺伝性癌のリスク評価からベネフィットを得ると思われる女性を特定するため、遺伝性乳癌と卵巣癌の日常的なリスク評価を推奨している。女性が最終的に遺伝子検査を受けて、BRCA1かBRCA2遺伝子の変異を有していることが判明した場合、高い癌リスクを管理するための選択肢を利用できる。そのガイドラインがObstetrics and Gynecology誌2009年4月号に発表された。[1]

 

一部の家系は、遺伝性癌症候群により特に癌リスクが高い。そのような家系内には、複数の癌罹患者がいる場合が多く、若年で癌を発症することが多い。乳癌と卵巣癌の場合、2つの遺伝子(BRCA1とBRCA2)の遺伝的変異は、乳癌と卵巣癌を生涯発症リスクを著しく高めることが判明している。それらの遺伝子の変異は、母方または父方のいずれかから受け継いでいる可能性がある。卵巣癌の生涯リスクは、BRCA1変異を有する女性では39~46%、BRCA2変異を有する女性では12~20%と推定される。BRCA1またはBRCA2の変異保有者で乳癌を発症する生涯リスクは65~74%である。

 

米国では300~800人に1人がBRCA1またはBRCA2変異を有すると推定される。個人や家族の乳癌および卵巣癌の既往歴に関する聴取は、BRCA変異を有するリスクの高い女性を特定するのに役立つ。変異を有する可能性が20~25%以上の場合、追加の遺伝的リスク評価を推奨する。このカテゴリーに該当する女性は以下の通りである。

 

■ 乳癌と卵巣癌両方の既往歴をもつ女性

■ 卵巣癌に罹患し、かつ近親者(母、姉妹、娘、祖母、孫娘、おば)に卵巣癌か閉経前の乳癌またはその両方の罹患者がいる女性

■ 40歳以下で乳癌の診断を受けたか、または乳癌と卵巣癌に罹患したアシュケナージ系ユダヤ人の女性

■ 50歳以下で乳癌に罹患し、かつ近親者に年齢にかかわらず卵巣癌または男性乳癌の罹患者がいる女性

■ BRCA変異を有することが確認されている近親者をもつ女性

遺伝性乳癌および卵巣癌リスクが上記カテゴリーの女性より低い(が、それでもやはり高い)一部の女性にとっても、追加の遺伝的リスク評価が有益であると考えられる。そのような女性は、若年で乳癌を発症した女性、両側乳癌の女性、高悪性度の漿液性卵巣癌か腹膜癌あるいは卵管癌の女性、近親者に乳癌罹患者が複数いる乳癌の女性、これらの基準のいずれかに当てはまる近親者をもつ罹患していない女性などである。

 

追加の遺伝的リスク評価が行われる場合、補足的な家族歴情報の収集や教育、カウンセリングも含まれる場合が多い。遺伝子検査も実施される可能性がある。仮に、遺伝子検査でBRCA1またはBRCA2変異が陽性であった場合、乳癌および卵巣癌のリスクを管理する選択肢がいくつかある。

 

1 検査―初期段階で癌を検出するため、定期的に癌スクリーニングを受けることを選択できる。このスクリーニングは若い年齢で開始する必要があるだろう。乳癌および卵巣癌のスクリーニング検査には、臨床乳房検査(視触診)、マンモグラフィ、乳房の磁気共鳴映像法(MRI)、CA125検査、経膣超音波検査などがある。しかし、卵巣癌のスクリーニングにより当該癌の死亡リスクが低下する、という明確なエビデンスは未だ確立されていないことを認識することが重要である。

 

2 化学予防―タモキシフェン(ノルバデックス®)を使用したホルモン療法は、BRCA2変異を有する女性の乳癌リスクを低下させることが判明している。BRCA1変異を有する女性がタモキシフェンを使用しても、BRCA2変異をもつ女性ほどベネフィットは得られない可能性がある。

 

3 予防的手術―予防的両側乳房切除(発症前の両側乳房の外科的切除)はBRCA1またはBRCA2変異を有する女性の乳癌リスクを著しく低下させる。同様に、卵巣および卵管の予防的切除も卵巣癌、卵管癌、腹膜癌のリスクを低下させる。閉経前の女性の場合、卵巣切除は乳癌リスクも低下させる。

 

コメント:このガイドラインは、医師とリスクのある女性の双方にとって有用である。

 

参考文献:
[1] ACOG Practice Bulletin No. 103: Hereditary Breast and Ovarian Cancer Syndrome. Obstetrics and Gynecology. 2009;113:957-966.

 


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翻訳関谷 真美

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