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Icotinib+放射線療法が高齢の進行食道がん患者の生存期間を延長

【ロイター】高齢で切除不能な食道扁平上皮がん患者に対して、icotinib[イコチニブ]と放射線治療の併用は、放射線治療単独と比較して生存期間を延ばすなどの治療利益を促進するかもしれない、と中国の研究者らが発表した。

 「本第2相試験は、食道がん高齢患者に対して分子標的薬と放射線治療の同時併用療法を初めて検証したものだと思いますが、毒性も低く、全生存期間を延長しました」とShixiu Wu氏はReuters Health に電子メールで述べた。

 この併用療法は「がんの原発巣や局所部位で効果を発揮するだけでなく遠隔転移も抑制する」ということが本質的な仮説であったと、中国医学科学院および北京協和医学院(CAMS&PUMC)のWu氏らはJAMA Network Open誌の論文で述べている。

 Wu氏らは、前臨床試験において、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であるイコチニブが、EGFRを高頻度で発現しているヒト扁平上皮がん細胞株の増殖を著しく阻害したことに言及している。

 そこで研究者らは、さらなる調査のため、切除不能な進行食道がんの70歳以上の患者127人を対象に多施設共同、非盲検臨床試験を実施し、その参加者全員に60Gy(グレイ)30回分割照射の放射線治療を行った。参加者はランダムにイコチニブ125mg1日3回経口投与する患者と非投与の患者に割りあてられた。

 追跡期間中央値は42.8カ月で、全奏効率は治療介入患者が84.4%であったのに対し、対照患者は60.3%であった。全生存期間中央値はイコチニブと放射線治療併用患者では24.0カ月で、放射線療法治療単独の患者では16.3カ月であった。

 グレード3またはグレード4の有害事象について群間差はなく、毒性は適切な減薬や支持療法で良好にコントロールされた。

 イコチニブと放射線治療併用群において、患者全体の全生存期間中央値は、EGFR過剰発現患者では未達であった。他方、EGFR低頻度発現の患者では16.3カ月であった。

 EGFR高頻度発現患者にはイコチニブ併用による治療利益があることから、「近年、免疫チェックポイント阻害薬の食道がんに対する適応が注目されていますが、EGFR由来の食道扁平上皮がんを正確な標的にすることは、重要な治療目標であり続けるべきだと言えます。これは他のがん種にもあてはまるかもしれません」とWu氏は締めくくった。

引用:https://bit.ly/3lELPyy、 JAMA Network Open誌、2020年10月7日オンライン版

翻訳山本哲靖

監修峯野 知子(薬学・分子薬化学/高崎健康福祉大学)

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