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FDAが医療従事者による在宅投与可能なHER2乳がんの皮下注射剤Phesgoを承認

速報:2020年6月

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、遠隔転移したHER2陽性成人乳がん患者、および早期のHER2陽性成人乳がん患者の治療薬として、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ヒアルロニダーゼ-zzxfの配合皮下注射製剤であるPhesgoを承認した。投与の対象となる患者は、FDA承認のコンパニオン診断テスト(医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するために行なわれる臨床検査)に基づいて選択される。

乳がん患者の約5分の1を占めるHER2陽性乳がんでは、がん細胞の増殖を促進するヒト上皮成長因子受容体2(HER2)と呼ばれるタンパク質が過剰に発現している。ペルツズマブとトラスツズマブはHER2に結合してシグナル伝達を阻害し、がん細胞の増殖を抑える。Phesgoは、治療開始時には化学療法と組み合わせて使用されるが、化学療法終了後は資格を持った医療従事者により在宅で継続して投与することが可能である。

「現在、HER2 陽性乳がん患者のほとんどは、トラスツズマブとペルツズマブを薬物療法センターで投与されています。新しい投与経路であるPhesgoによって、トラスツズマブとペルツズマブの投与を受ける外来患者に選択肢がもたらされます」と、FDAのOncology Center of Excellence室長であり、同局の 医薬品評価・研究センターの Office of Oncologic Diseases室長代理を務めるRichard Pazdur医師は述べた。「新型コロナウイルスの世界的大流行に対処するためのFDAの継続的な取り組みの一環として、われわれは、病気に感染するリスクのある脆弱な集団であるがん患者に強く焦点を当て続けています。この重要な時期に、当局では引き続きがん領域の製品開発を迅速化しています。本申請は、FDAの目標日よりも約4カ月早く承認されました」

Phesgoは、ペルツズマブとトラスツズマブにヒアルロニダーゼを配合した皮下注射用の合剤である。Phesgoの有効成分は、FDA承認済の静脈内投与用(IV)ペルツズマブや静脈内投与用トラスツズマブと同じである。

FDAの承認は、HER2陽性早期乳がん患者を対象とした非劣性試験の結果に基づいている。本試験では、投与経路が皮下注射であることから投与に関連して生じる反応がPhesgoで高かったことを除き、Phesgoはペルツズマブおよびトラスツズマブの静脈内投与と同等の有効性と安全性を有していることが示された。

Phesgoの添付文書では、心不全、胎児への害、肺毒性の可能性が、医療従事者や患者への警告として強調されている。医療従事者は、ペルツズマブやトラスツズマブの静脈内投与時と同様のモニタリング指標を使用すべきである。

Phesgoを投与した患者で最も多かった副作用は、脱毛症(抜け毛)、吐き気、下痢、貧血(赤血球数の減少)、無力症(元気がない)であった。また、Phesgoは化学療法による好中球減少症(白血球の減少)の悪化を引き起こす可能性がある。

妊娠中の女性では、Phesgoが胎児や新生児の発育に害を及ぼす可能性がある。FDAは、Phesgoが妊娠中または投与後7カ月以内に妊娠した患者の胎児に害を及ぼす可能性があることを、生殖年齢の女性に通知するよう医療従事者に助言している。

アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)や重度の過敏症を起こした患者は、Phesgoを中止するべきである。

Phesgoの承認は、Genentech社が取得した。

Phesgoの全処方情報

*FDA Approved Drugs:FDA approves combination of pertuzumab, trastuzumab, and hyaluronidase-zzxf for HER2-positive breast cancer 

翻訳河合 加奈

監修原 文堅(乳がん/がん研究会有明病院 乳腺センター 乳腺内科)

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