[ 記事 ]

FDAが転移HER2陽性乳がんにネラチニブを承認

2020年2月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移を伴う乳がんに対して2つ以上の抗HER2療法を受けた進行または転移HER2陽性乳がん成人患者の治療として、カペシタビンとの併用でneratinib[ネラチニブ](販売名:NERLYNX、Puma Biotechnology, Inc.社)を承認した。

カペシタビンを併用したネラチニブの有効性は、転移乳がんに対して2つ以上の抗HER2療法を受けた転移HER2陽性乳がん患者621人を対象とした多施設共同ランダム化非盲検試験であるNALA(NCT01808573)によって評価された。患者は、21日を1サイクルとして、1日目から21日目に1日1回ネラチニブ240 mgと、1日目から14日目に1日2回カペシタビン750 mg/m2を経口投与するグループ(307人)、または1日目から21日目に1日1回ラパチニブ1250 mgと、1日目から14日目に1日2回カペシタビン1000 mg/m2を経口投与するグループ(314人)に1:1に無作為に割り付けられた。患者は、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで治療を受けた。

有効性の主要評価項目は、盲検化された独立中央判定がRECIST v1.1に基づき評価した無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)であった。主な副次評価項目は、奏効率(ORR)と奏効期間であった。 PFSの中央値は、カペシタビンとネラチニブを投与された群で5.6カ月(95%信頼区間[CI]:4.9-6.9)、カペシタビンとラパチニブを投与された群で5.5カ月(95%CI:4.3-5.6)であった(ハザード比[HR] 0.76; 95%CI:0.63-0.93; p = 0.0059)。 12カ月PFS率は、それぞれ29%(95%CI:23-35)と15%(95%CI:10-20)であった。

全生存期間(OS)の中央値は、カペシタビンとネラチニブを投与された群で21カ月(95%CI:17.7-23.8)、カペシタビンとラパチニブを投与された群で18.7カ月(95%CI:15.5-21.2)であった(HR 0.88; 95%CI:0.72-1.07; p=0.2086)。奏効率(ORR)はそれぞれ32.8%(95%CI:27.1-38.9)と26.7%(95%CI:21.5-32.4)であった。奏効期間の中央値は、それぞれ8.5カ月(95%CI:5.6-11.2)と5.6カ月(95%CI:4.2-6.4)であった。

ネラチニブとカペシタビンの併用療法において、最もよくみられたあらゆるグレードの副作用(> 5%)は、下痢、悪心、嘔吐、食欲減退、便秘、疲労/無力症、体重減少、めまい、腰痛、関節痛、尿路感染症、上部気道感染症、腹部膨満、腎機能障害、筋痙攣であった。最も頻繁に報告されたグレード3または4の副作用は、下痢、悪心、嘔吐、疲労、食欲減退であった。

進行または転移乳がんに対するネラチニブの推奨用量は、21日を1サイクルとして、1日目から21日目に1日1回食事とともにネラチニブ240 mg(6錠)と、1日目から14日目に1日2回カペシタビン750 mg/m2 であり、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで経口投与する。

NERLYNXの全処方情報はこちらを参照。

本審査には、FDAによる評価の促進を目的として申請者が自発的に申請を行うAssessment Aidが使用された。本申請は、FDAの目標期日の2カ月前に承認された。

ネラチニブはファーストトラックの指定を受けた。 FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム−医薬品およびバイオ医薬品(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」に記載されている。

翻訳河合加奈

監修原 文堅(乳がん/がん研有明病院 乳腺センター 乳腺内科)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事