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FDAが腱滑膜巨細胞腫にペキシダルチニブを承認

2019年8月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、症候性の腱滑膜巨細胞腫(TGCT)を有し、病状が重症であるか動作の制限が認められ、かつ手術による改善の見込みがない成人患者にpexidartinib [ペキシダルチニブ](販売名:TURALIO、Daiichi Sankyo社)カプセルを承認した。ペキシダルチニブは、TGCT患者に承認された最初の全身療法薬である。

本承認は、外科的切除を行うことができないTGCT患者120人を対象とした国際多施設共同、ランダム化(1:1)、二重盲検、プラセボ対照試験(ENLIVEN、NCT02371369)で認められた奏効率(ORR)の持続に基づくものである。ORRは、25週目に独立評価委員会が判断した(固形がんの治療効果判定のためのガイドライン1.1)。25週間の治療実施後のORRは38%(95%信頼区間:27~50)であり、完全奏効率および部分奏効率は15%および23%であった。プラセボ投与患者では奏効は得られなかった(p<0.0001)。初回奏効後6カ月以上追跡調査を受けた患者23人中22人では、奏効が6カ月以上持続した。さらに、初回奏効後12カ月以上追跡調査を受けた患者13人全員では12カ月以上持続した。

関節可動域は、正常可動域の割合として測定し、各罹患関節で角度計を用いて評価した。解析可能な十分なデータが得られた患者では、ペキシダルチニブ投与患者の25週目での罹患関節の可動域は、プラセボ投与患者と比較して統計的に有意に基準値から改善した。

ペキシダルチニブによくみられた副作用は、乳酸脱水素酵素増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、毛髪変色、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、およびコレステロール増加であった。その他の副作用として、好中球減少症、アルカリホスファターゼ増加、リンパ球減少、眼球浮腫、ヘモグロビン減少、発疹、味覚不全、およびリン酸減少がみられた。

処方情報には枠組み警告が含まれており、重篤かつ死に至るおそれのある肝障害が生じる危険性を医療従事者および患者に警告している。医療従事者は、ペキシダルチニブ投与開始前に1回、初回投与後8週間は週1回、その後1カ月間は2週間に1回、以降は3カ月に1回、肝機能検査の結果をモニターする。患者に肝障害が生じた場合、重症度に応じ、用量を減らすか投与を中止する。ペキシダルチニブは、リスク評価・軽減戦略プログラムに従わなければ使用することはできない。

ペキシダルチニブの推奨用量は、1日2回空腹時400mg(2カプセル)経口投与である。

TURALIOに関する全処方情報はこちらを参照。

FDAはペキシダルチニブを画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定し、本申請を優先審査に指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する説明は、企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム―医薬品およびバイオ医薬品(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳前田愛美

監修遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院 整形外科)

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