楽天メディカル社が頭頸部がんにアキャルックス®の国内承認を取得

2020年9月25日、楽天メディカル社は、完全子会社の楽天メディカルジャパン社が、切除不能局所進行または再発頭頸部がんを適応としてアキャルックス®点滴静注250mg(セツキシマブ サロタロカンナトリウム)の国内販売承認を厚生労働省から得たことを発表した。アキャルックスと組み合わせて使用される医療機器であるBioBlade®レーザーシステムは、9月2日に承認されている。この組み合わせは、楽天メディカルの治療開発基盤であるイルミノックス™プラットフォームの下で開発された。アキャルックスは2019年4月に先駆け審査指定制度の対象となり、2020年3月に条件付き早期承認へ向けた申請が行われた。国外では、楽天メディカル社の当該治験薬は承認されておらず、国際共同第3相試験が現在進行中である。

楽天メディカルジャパン社代表取締役会長の三木谷浩史氏は「がんと診断された父のために治療法を探していた時、日本の研究者が開発した治療に出会いました。この治療法をがん患者の皆様にできるだけ早くお届けするために、当社は前進を続けています。本日、世界に先駆けて日本での承認を得たことに非常に感動しております。しかし、日本での承認は、当社の企業理念へ向けた第一歩に過ぎません。当社はがん治療に貢献し、世界中の可能な限り多くの患者様の生活の質を向上するために尽力しています。社員の総力を結集し、当社の企業理念「がん克服」の達成を、今後も継続的に目指していきます」と述べている。

楽天メディカル社について
楽天メディカル社は国際的なバイオテクノロジー企業であり、イルミノックス™プラットフォームを使用して、細胞を標的とする高精度の試験的治療を開発している。この治療は、複数の前臨床試験により、速やかで選択的な細胞死と腫瘍壊死をもたらすことが示されている。国外では、イルミノックスプラットフォームを基礎とした治療は、規制当局により安全性および有効性が承認されていない。楽天メディカル社は、自社の企業理念「がん克服」に注力している。本社を米国に置き、日本、オランダ、ドイツ、台湾、スイスを含めた6カ国の7カ所に事業所を構えている。詳細はhttps://rakuten-med.com/us/を参照のこと。

イルミノックス™プラットフォームについて
イルミノックスプラットフォームは、光免疫療法と呼ばれるがんの治療法を基にした試験的治療の開発基盤である。光免疫療法は、小林久隆医師と米国国立がん研究所のチームが開発した。楽天メディカル社は、薬剤、医療機器、その他の関連する構成要素から成る技術として、イルミノックスプラットフォームを開発している。同プラットフォームの薬剤は、選択的に細胞表面に結合する1つ以上の色素と結合した標的成分で構成される。同プラットフォームの医療機器は、標的細胞を非熱性の光で局所的に照射し、一時的に薬剤を励起(活性化)する光源で構成される。前臨床試験データは、この励起(活性化)により、標的細胞膜の完全性が損なわれる生物物理学的過程を経て、速やかかつ選択的に標的細胞の壊死が誘発されることを示した。イルミノックスを基に開発した治療法は、標的細胞の免疫原性細胞死や微小環境の免疫抑制因子の排除による、局所および全身の自然/適応免疫活性化をもたらす可能性もある。

将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年の米国民事証券訴訟改革法のセーフハーバー条項に対応する将来予想に関する記述を含む。この記述には、同記述に表された予想される結果や見込みとは異なる楽天メディカル社の事業計画および業績をもたらし得るさまざまなリスク、不確実性、仮説が含まれる。この「将来予想に関する記述」には、ASP-1929などの当社製品の状況と開発、およびその他の薬事申請や販売承認に関する情報が含まれる。当該製品の承認および商業的な成功は達成されない可能性がある。将来予想に関する記述は、ASP-1929がもたらし得る利益、有効性、安全性、および薬事申請状況に関するものである。この記述には「予想される」、「思われる」、「期待される」、「推測される」、「そのようにみえる」、「予期される」、「意図する」、「可能性がある」、「示唆する」、「計画する」、「戦略を立てる」、「するつもりである」、「する」などの語が含まれ、これらの語は現在の見込みを基に使用されている。さらに、本プレスリリースでは、臨床検査データについての意見を表す際に「重要」、「著しい」、「異常」などの語を用いている。進行中の臨床試験には、さまざまなリスクや不確実性が含まれ、特に、ASP-1929の製造段階で起こる問題、安全に関する有害な事象の発生、治療効果が示されない状況、合理的なものもそうでないものも含めたさまざまなリスクおよび不確実性がある。このような理由から、ASP-1929の商業化段階の当局の承認および不確実性などの実際の結果は、発表された情報と異なる可能性がある。適用される法律が求める場合を除いて、新たに入手した情報、将来の開発状況や事象、想定内容の変化、将来予想に関する記述に影響する要素の変化により、当社が本プレスリリースやその他の将来予想に関する記述を公的に更新する義務はない。1つ以上の将来予想に関する記述が更新される場合、本プレスリリースまたはその他の将来予想に関する記述をさらに更新するという判断は下されない。

楽天メディカル社広報:pr@rakuten-med.com

情報提供:楽天メディカル社

関連リンク
https://rakuten-med.com/us

翻訳担当者 塚本真理子

監修 山崎知子(頭頸部・甲状腺・歯科/宮城県立がんセンター 頭頸部内科)

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