フォリン酸+フルオロウラシル併用へのオキサリプラチン追加によって進行性膵臓癌患者の生存期間が延長する可能性

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第3相試験にて、フォリン酸とフルオロウラシル(5-FU)を併用する化学療法に化学療法薬オキサリプラチン(エルプラット)を追加することによって、ゲムシタビン(ジェムザール)投与では回復がみられなかった進行性膵臓癌患者の転帰に改善がみられた。この試験結果はこのほど、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された。

膵臓癌は致死率の高い癌のひとつである。毎年、米国では約43,000人が膵臓癌と診断され、37,000人近くが死亡している。膵臓癌は進行した段階で診断されることが多く、その治療はいまだに困難である。

これまでゲムシタビンは進行性膵臓癌の標準的な化学療法薬であった。しかしながら、必ずしもすべての膵臓癌にゲムシタビンが奏効するとは限らない。

ゲムシタビンによる治療効果がみられなかった進行性膵臓癌患者に対する治療の選択肢を開発するため、ドイツの研究者らは、オキサリプラチン+フォリン酸+フルオロウラシル併用療法(以下、「オキサリプラチン追加投与群」という)とフォリン酸+フルオロウラシル併用療法(以下、「オキサリプラチン非投与群」という)とを評価した。

今回の試験は、これまでゲムシタビン投与歴があるが、依然として癌の進行が止まっていない進行性膵臓癌患者170人近くを対象とした。研究者らは2004年に患者の試験への登録を開始し、2012年まで経過を観察した。登録患者はオキサリプラチン非投与群とオキサリプラチン追加投与群に分けた。

追跡期間中央値4.5年の時点での生存期間は、オキサリプラチン追加投与群が約6カ月、オキサリプラチン非投与群は3カ月を少し超えた。癌が進行するまでの間隔については、オキサリプラチン追加投与群が約3カ月で、オキサリプラチン非投与群の2カ月と比較して長かった。副作用は両群でほとんど差がみられなかった。ただし、オキサリプラチン追加投与群は神経毒性(神経系への影響)が認められる割合が5倍高かった(29人対6人)。

研究者らは、フォリン酸とフルオロウラシルにオキサリプラチンを追加投与する療法は、ゲムシタビンでも進行が止まらなかった進行性膵臓癌患者への効果的な治療選択肢となると結論づけた。オキサリプラチン+フォリン酸+フルオロウラシル併用療法はフォリン酸+フルオロウラシル併用療法よりも転帰を向上させ、しかも安全性は許容できるものであった。

参考文献:
Oettle H, Riess H, Stieler JM, et al. Second-Line Oxaliplatin, Folinic Acid, and Fluorouracil Versus Folinic Acid and Fluorouracil Alone for Gemcitabine-Refractory Pancreatic Cancer: Outcomes From the CONKO-003 Trial. Journal of Clinical Oncology [early online publication]. June 30, 2014.

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翻訳担当者 松木宏樹

監修 辻村信一 (獣医学・農学博士、メディカルライター/メディア総合研究所)

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