膵がんワクチンにニボルマブとウレルマブを併用で膵がんの免疫系反応が促進

ジョンズホプキンス大学

外科手術可能な膵がん患者に膵がんワクチンのGVAX、免疫チェックポイント治療薬のニボルマブ(販売名:オプジーボ)、抗CD137アゴニスト抗体治療薬のウレルマブ(urelumab)から成る3剤併用免疫療法を行うことは安全であり、腫瘍内のがん細胞を攻撃する免疫系のT細胞の量を増加させ、がん摘出手術の2週間前に行うと効果的であると考えられることが、ジョンズホプキンス大学の研究者らが主導した新たな研究で明らかになった。本研究の内容は6月20日付Nature Communications誌のオンライン版に掲載された。

ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンター、ブルームバーグ・キンメルがん免疫療法研究所、ジョンズホプキンス大学医学部の研究者らが主導するこの研究は、膵がん患者の手術前(術前)と手術後(術後)の免疫療法を研究するために2015年に開始された進行中のプラットフォーム試験の最新版である。プラットフォーム試験という形式により、研究者らは本試験で得られたデータを利用して、同じ試験内で膵がんに対する免疫療法の開発を進めることが可能となる。

この最新の試験で10人の参加者が併用療法を受けた。無病生存期間(治療後にがんが発見されない期間)の中央値は33.51カ月、全生存期間(死亡するまでの期間)の中央値は35.5カ月であった。これらは、膵がんワクチン単独およびニボルマブとの併用を検証したこの研究の以前の試験群よりも高いが、患者数が少なかったため、本試験結果に統計学的有意差は認められなかった。

今回の試験群で検査した腫瘍検体もまた、ワクチン単独またはワクチンとニボルマブの併用で治療した患者の検体と比較して、がん細胞を攻撃する免疫細胞の量がはるかに多かった。

今回の結果から、この併用療法をより大規模な臨床試験でさらに研究することの正当性が示唆されると、Pancreatic Cancer Precision Medicine Center of Excellence(膵がん精密医療センターオブエクセレンスプログラム)の共同ディレクターでジョンズホプキンス大学医学部の腫瘍学教授のLei Zheng医学博士は語る。

このプラットフォーム試験には、外科手術前の2週間の「絶好の機会」に行われる膵がん治療に関して2つの目的があるとZheng氏は語る。第一に、免疫療法は患者の免疫細胞に腫瘍への反応の仕方を学習させ、がんが再発した場合、その後の監視を継続することを可能にすることである。第二に、術中に摘出された腫瘍を評価することにより、腫瘍が治療にどの程度反応するかを確認することを可能にすることである。膵臓腫瘍でインターロイキン8に結合し、好中球をブロックする抗体を研究する4つ目の試験群が現在進行中である。

  • 監訳 泉谷昌志(消化器内科、がん生物学/東京大学医学部附属病院)
  • 翻訳担当者 松長愛美
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  • 原文掲載日 2023/07/17

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