FDAが大腸がんと頭頸部扁平上皮がんにセツキシマブの隔週投与を承認

2021年4月6日、米国食品医薬品局(FDA)は、K-Ras遺伝子野生型でEGFRを発現している大腸がん(mCRC)、または頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の患者に対する、セツキシマブ(販売名:アービタックス、ImClone LLC社)の新しい用法及び用量(500mg/m2を120分かけて2週間ごとに点滴静注)を承認した。

本承認により、従来承認されていた適応疾患に対するセツキシマブ単剤または化学療法との併用で週1回投与する投与法に加えて、隔週投与が選択できることとなった。

本承認は、セツキシマブ 500mg 2週間隔投与時の予測暴露量を、セツキシマブ250mg 1週間隔投与した患者から測定した暴露量と比較する母集団薬物動態(PK)モデリング解析に基づいて行われた。

また、複数の既存文献から収集したCRCおよびSCCHN患者の全奏効率、無増悪生存期間、全生存期間(OS)に関するデータの再解析や、リアルワールドデータにおけるmCRC患者の1週間隔または2週間隔のセツキシマブ投与時のOS解析も、本申請を裏付けるデータとなった。これらの予備解析において、セツキシマブは用法及び用量によらず同様の有効性を示す結果が得られており、集団PKモデル解析の結果を裏付けるものであった。

セツキシマブの最も一般的な副作用(発現率25%以上)は、皮膚の副作用(発疹、そう痒、爪の変化など)、頭痛、下痢、感染症であった。

アービタックスの全処方情報はこちらを参照。

(アービタックスの従来の用法・用量の日本語添付文書はこちらを参照。)

翻訳担当者 古屋千恵

監修 廣田裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

大腸がんに関連する記事

大腸がんに術後化学療法が必要かをctDNA検査で予測できる可能性の画像

大腸がんに術後化学療法が必要かをctDNA検査で予測できる可能性

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ転移が始まった大腸がんに対する手術の後、多くの人はそのまま化学療法を受ける。この術後(アジュバント)治療の背景にある考え方は、がんが体内の他...
認識されていない大腸がんの危険因子:アルコール、高脂肪加工食品、運動不足の画像

認識されていない大腸がんの危険因子:アルコール、高脂肪加工食品、運動不足

オハイオ州立大学総合がんセンター仕事中にあまり身体を動かさず肥満率が上昇している現代アメリカでは、何を飲食し、どのくらい身体を動かすかによって大腸がん(30〜50代の罹患者が増...
若年成人の大腸がん罹患率増加に肥満とアルコールが関与の画像

若年成人の大腸がん罹患率増加に肥満とアルコールが関与

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2024年におけるEUと英国のあらゆるがんによる死亡率を専門家が予測

欧州連合(EU)と英国における25〜49歳の大腸がんによる死亡率の上昇には、過体重と肥満...
意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果の画像

意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果

ダナファーバーがん研究所意図せぬ体重減少は、その後1年以内にがんと診断されるリスクの増加と関連するという研究結果が、ダナファーバーがん研究所により発表された。

「運動習慣の改善や食事制限...