米CDC、コロナワクチンは個別判断で/幼児の水痘ワクチンは混合でなく単独での接種を推奨

米CDC、コロナワクチンは個別判断で/幼児の水痘ワクチンは混合でなく単独での接種を推奨

米国疾病対策予防センター(CDC)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種については個別判断を適用し、幼児には麻疹・おたふく風邪・風疹との混合ではなく、水痘(水ぼうそう)単独での予防接種を推奨することが、米国疾病対策予防センター(CDC)で本日更新された、成人および小児の予防接種スケジュールで示された。

この予防接種スケジュールは、CDCの予防接種実施諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices: ACIP)による最近の推奨事項を採用したもので、先週、CDC代理所長兼保健福祉省副長官のJim O'Neill氏により承認された。このスケジュールは、2025年10月7日までにCDC.govで更新される。

「インフォームド・コンセントが復活しました」とO'Neill副長官は述べた。「CDCが2022年に発表したCOVID-19ワクチンを無期限に追加接種するという包括的な推奨により、医療従事者は個々の患者や親に対して、ワクチン接種のリスクや利点について話すことを躊躇していました。しかし、それは今日、変わりました」。

「ACIPの医師や公衆衛生専門家が、ワクチンに関する重要な安全情報をアメリカ国民に周知した功績を称賛します。また、定期予防接種における予期せぬ副作用から、必ず子供たちを守るというリーダーシップを発揮したトランプ大統領にも感謝いたします」。

オペレーション・ワープ・スピード(Operation Warp Speed: OWS)が先駆けた、米国成人のおよそ85%に接種が達成したCOVID-19の初回シリーズワクチン接種とは異なり、米国成人のわずか23%がCDCの最新の季節的追加接種の推奨に従っていることが、CDCの全国予防接種調査で示された。パンデミックとOWSを通じて集団免疫が獲得されたあと、COVID-19ウイルスが風土病化したことで、ワクチン再接種は、その安全性と有効性に関するリスク・ベネフィットへの懸念の広がりを促すこととなった。

ACIPの推奨では、CDCのCOVID-19リスク要因リストに基づき、65才未満の個人におけるワクチン接種のリスク・ベネフィットは、重症化リスクが高い層で最も好ましい(ベネフィット(効果)が、それによって生じるリスク(副作用)を十分に上回っている)、重症化リスクが高くない層では最も好ましくない(リスクがベネフィットを上回っている)と強調された。米国食品医薬品局(FDA)は、リスク要因を1つ以上有する個人、および65才以上の個人に対するCOVID-19ワクチンの販売承認を与えている。

CDCの予防接種スケジュールでは、個人ベースの意思決定を「共有臨床意思決定に基づくワクチン接種」と表現している。これは医師、看護師、薬剤師などの医療提供者との共有臨床意思決定を指す。つまり、ワクチン接種の臨床的判断は、年齢とは異なり推奨事項に組み込みにくい患者特性(基礎疾患のリスク因子、ワクチン自体の特性、ワクチン接種の利益を受ける可能性のある対象者に関する入手できる最良のエビデンスなど)に基づくべきであることを意味する。

定期予防接種の推奨事項と同様に、個別判断でのコロナワクチン接種も、医療保険制度改革法で定められた保険制度だけでなく、メディケア、メディケイド、米国児童医療保険プログラム、小児ワクチンプログラムのような給付金制度も含むすべての支払い方法について、接種費用が医療保険によるカバー対象となっている。

米国疾病対策予防センター(CDC)小児・青年期予防接種スケジュールにおける3才までの幼児に対する単独水痘ワクチン接種の新推奨は、ACIPにCDC予防接種安全評価室が提示したエビデンスに基づく。それによれば、健康な12~23カ月の幼児は、麻疹・おたふく風邪・風疹・水痘混合ワクチン接種後7~10日後に、水痘単独ワクチン接種群と比較して熱性けいれんのリスクが増加する。この混合ワクチンは、単独ワクチンと比較して水痘に対する追加的な予防効果をもたらさない一方で、熱性けいれんのリスクを2倍に増加させる。

  • 監修 加藤恭郎 (緩和医療、消化器外科、栄養管理、医療用手袋アレルギー/天理よろづ相談所病院 緩和ケア科)
  • 記事担当者 山口みどり
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  • 記事掲載日 2025/10/06

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