米FDAが、ESR1遺伝子変異/HR陽性/HER2陰性の局所進行・転移乳がんにCDK4/6阻害薬との併用でカミゼストラントを迅速承認
2026年9月4日、米国食品医薬品局(FDA)は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性で局所進行/転移を有する乳がんの成人患者のうち、アロマターゼ阻害薬およびCDK4/6阻害薬による治療中にFDA承認済み検査でエストロゲン受容体-1(ESR1)遺伝子変異が検出された患者を対象に、エストロゲン受容体拮抗薬camizestrant[カミゼストラント](販売名:Etcamah[エトカマ]、AstraZeneca社)をCDK4/6阻害薬(アベマシクリブ、パルボシクリブ、ribociclib[リボシクリブ])との併用で迅速承認した。
FDAはまた、ESR1遺伝子変異を有する乳がん患者を特定し、カミゼストラントによる治療を行うためのコンパニオン診断機器として、Guardant360 CDxアッセイを承認した。
エトカマの詳細な処方情報は、Drugs@FDAに掲載される。
有効性と安全性
有効性は、ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験であるSERENA-6 (NCT04964934)で評価された。本試験の対象は、ER陽性/HER2陰性の局所進行/転移乳がん成人患者のうち、ESR1遺伝子変異が検出された患者であり、目的は、CDK4/6阻害薬との併用でカミゼストラントに切り替える群と、CDK4/6阻害薬との併用でアロマターゼ阻害薬(AI)を継続する群を比較評価することであった。ESR1遺伝子変異の状態は、AIとCDK4/6阻害薬による一次治療中にGuardant360 CDxアッセイを用いた血中循環腫瘍細胞デオキシリボ核酸(ctDNA)検査によって評価された。すべての患者は、治験担当医師の評価により疾患進行の徴候がないこと、最初のホルモン療法としてAIとCDK4/6阻害薬の併用による治療を6カ月以上受けていることを要件とした。合計315人の患者が、CDK4/6阻害薬と併用してカミゼストラントを1日1回経口投与する群、またはCDK4/6阻害薬と併用してAI(アナストロゾールまたはレトロゾール)を1日1回経口投与する群に1対1で無作為に割り付けられた。
主要な有効性評価項目は、RECIST v1.1に基づく治験責任医師評価の無増悪生存期間(PFS)であった。追加の有効性評価項目には、全生存期間(OS)が含まれた。PFSの中央値は、カミゼストラントとCDK4/6阻害薬の併用群で16カ月(95%CI:12.7、18.2)、AIとCDK4/6阻害薬の併用群で9.2カ月(95%CI:7.2、9.5)であった(ハザード比0.44[95%CI:0.31、0.60]、p値<0.00001)。PFS解析時点では、OSデータは未成熟であった。
添付文書には、QTc間隔延長作用のある薬剤と併用した場合にQTc間隔延長による不整脈のリスクがあることを示す枠囲み警告、および徐脈や胚・胎児毒性に関する警告と注意事項が記載されている。
推奨用量
カミゼストラントの推奨用量は、食事の有無にかかわらず経口投与で1日1回75 mgであり、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで継続する。カミゼストラントは、CDK4/6阻害薬(アベマシクリブ、パルボシクリブ、またはリボシクリブ)と併用して投与する。CDK4/6阻害薬は、ESR1遺伝子変異が検出された際と同じ用量で継続投与すること。用量に関する詳細は、CDK4/6阻害薬の添付文書を参照すること。
- 記事担当 仲里芳子
- 監修 小坂泰二郎(乳腺外科/JA長野厚生連 佐久総合病院 佐久医療センター)
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- 原文掲載日 2026/09/04
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