テモゾロマイドのFDA承認

原文 2005/03/15掲載 2013/07/03更新

商標名:Temodar®、Methazolastone

・多形性膠芽腫(2005/03/15)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英語)で参照できます。

2005年3月15日にテモゾロマイド(Temodar®、カプセル、Schering社製)を、新たに多形性膠芽腫(GBM)と診断された成人患者が放射線療法との併用(同時に行う)治療、その後の維持治療として、米国食品医薬品局(FDA)が承認しました。GBMは重篤な型の脳腫瘍です。

テモゾロマイド(TMZ)は1999年に、不応性未分化星状細胞腫の成人患者の治療のための迅速承認を受けました。 また、この治療適用も以下に記載されたGBM試験の結果に基づき、完全承認に変更されました。

安全性と有効性は新たに診断されたGBM患者においてEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer(EORTC)で行われた第3相試験によって示されました。573人の患者が、無作為にTMZと放射線療法(RT)(n=287)あるいは、RTのみ(n=286)のみの治療をうけました。

TMZ+RTアームの患者は毎日一回併用してTMZ(75mg/m2)をRT1日目からRT最終日まで42日間(最大49日間)投与されました。RT終了4週間後から、TMZ(150 mg/m2又は200mg/m2)のみを各28日サイクルの1-5日目に投与し6サイクル行われました。対照アームの患者はRTのみ受けました。

両アームでは、60Gy/30回のRTを腫瘍床に、あるいは切除(外科手術)部2-3cmのマージンで照射しました。ニューモシスティス・カリニ肺炎(PCP)予防は、リンパ球値にかかわらずTMZ+RT治療を受けている間必要であり、リンパ球減少(CTCグレード<1)が回復するまで続けて行われました。病気の進行の程度により、どちらの試験アームの患者もTMZ治療を受けることが可能でした。

TMZ+RT治療アームとRT治療のみの両アームとも、ベースラインの人口統計的特性とよく合致していました。対象者の約60%は男性で、約70%は50歳以上でした。両方の治療グループとも、合計88%のWHO一般状態が0か1で、84%パーセントが試験のエントリーから6週間以内に摘出手術を受けていました。

病気が進行した時点で、RTのみアームでは282人中161人(57%)にテモゾロミドが投与され、TMZ+RTアームでは277人中62人(22%)に投与されました。

同時治療と維持治療のTMZ+RT投与を受けている患者に全生存率で明らかな改善が見られました。 併用治療群がより優れており、log-rank p<0.0001、ハザード比は0.63(HR=0.52-0.75のCIは95%)でした。生存の中央値は14.6カ月(TMZ+RT)対12.1カ月(RTのみ)でした。

TMZ+RT治療中に起こる有害事象は血小板減少(血液凝固反応を助ける血小板値が異常に低く、それが血液凝固を促す)、悪心、嘔吐、食欲不振、および便秘でした。全TMZ暴露による最も一般的な有害事象は、脱毛症(抜け毛)、悪心、嘔吐、食欲不振、頭痛、便秘でした。TMZ治療の行われた患者の49%に1回以上の重篤な、あるいは致命的な有害事象が報告されており、最も多かったのは疲労(13%)、痙攣(6%)、頭痛(5%)、および血小板減少(5%)でした。

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HAJI 訳
平 栄(放射線腫瘍科)監修 
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

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