欧州医薬品庁がイデラリシブの使用について勧告

欧州医薬品庁がイデラリシブの使用について勧告

安全対策には、注意深いモニタリングおよび肺炎を予防するための抗生物質の使用が含まれている

欧州医薬品庁(EMA)のファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)は、抗がん剤イデラリシブ(商品名:Zydelig[ザイデリグ]) が今後も可能な限り安全に使用されることを確実にするために、本がん治療薬を使用している医師および患者に暫定的勧告を行う。イデラリシブは現在、欧州連合(EU)において、慢性リンパ性白血病(CLL)および濾胞性リンパ腫の治療薬として承認されている。

今回PRACは、イデラリシブによる治療を受けている患者はすべてニューモシスチス肺炎予防のために抗生物質の投与を受けるべきであると勧告している。また、感染症に関して患者をモニタリングし、白血球数が減少すると感染症リスクが高まる可能性があるので、定期的な血液検査で白血球数を確認すべきであると勧告している。またイデラリシブは全身感染症の患者への使用を開始すべきではなく、がん細胞にある種の遺伝子変異(17p欠損あるいはTP53変異) が認められる、前治療歴のないCLL患者にも投与を開始すべきではないとも勧告している。

これらは、イデラリシブが審査されている間に患者を守るための予防措置として、PRACが発令した暫定的勧告である。

本審査は、3つの臨床試験において、イデラリシブ投与群ではプラセボ投与群に比べて高い割合で重篤な有害事象が認められたことを受けて開始された。その重篤な有害事象には、肺炎などの感染症に関連する死亡が含まれる。これら3つの臨床試験は現在中止されているが、CLL患者および低悪性度非ホジキンリンパ腫患者を対象としていた。ただし、上記臨床試験におけるイデラリシブの用法は、現在承認されている用法と同一ではない。

実施すべき予防策は、医療従事者に文書で通知する予定である。審査が終わり次第、EMAはより詳細な方針を示し、患者および医療従事者向けのガイダンスを発行する予定である。

上述の安全策は、2016年6月に行われたPRAC会議で勧告が決まった。

翻訳担当者 清水裕美子

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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