Nilotinib(Tasigna、AMN107)/グリベック抵抗性CML治療にNilotinibが有効

キャンサーコンサルタンツ
2006年6月

多国間国際臨床試験は、nilotinib(AMN107)が慢性骨髄性白血病(CML)患者の治療またはグリベック(imatinib mesylate)に奏効しなかった急性リンパ性白血病(ALL)のための安全で有効な薬であることを確認した。この試験の詳細は、the New England Journal of Medicine 2006年6月 15日に発表された。

慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性ALLは、Bcr-Abl発癌遺伝子に起因する。グリベックは成人および小児CML患者の治療としてFDAの承認を得て、標準的な初回治療オプションとなった。グリベックは、Bcr-Ablタンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害することができるが、残念なことに、グリベック治療を受ける患者うち少数の患者は、その治療に抵抗性であるか、または抵抗性をもつようになる。

Nilotinib は、Bcr-Ablタンパク質のATP結合部位を特定のターゲットとするよう設計された治療薬である。Nilotinibは、グリベックより高い活性をもつ。Nilotinibは、試験管内実験でも大部分のBcr-Abl変異体細胞系に対して活性をもつ。CMLとALLの治療のための nilotinibのステータスのリビューが、最近発表されている。

今回の第1/2相試験は、800mg/日のグリベック治療後進行したCML 119人の患者で行われた。17人の患者は慢性期CML、56人は移行期CML、そして、46人は急性転化期 CMLであり、被験者年齢の中央値は、60歳であった。この第1/2相試験の結果は、以下の通りである。

・慢性期CML患者92%、移行期CML患者75%、そして急性転化期CML患者39%で臨床効果がみられた。

・細胞遺伝学的完全寛解は、慢性期の32%の患者でみられた。

・ 細胞遺伝学的反応は、急性転化期と慢性期ではそれぞれ27%、55%であった。

・フィラデルフィア陽性ALL患者のnilotinibへの反応は不良で、13人の患者のうちのわずか2人であった。

・ 服用が制限される程度の毒性は20%の患者に起こったグレード3、4の血小板減少による骨髄抑制と、13%の患者に起こったグレード3、4の好中球減少であった。

しばしば見られた副作用はグリベックで見られるものと異なり、軽度の高ビリルビン値と骨髄抑制であった。

コメント

 これらの試験は、CMLの標的治療の開発が急速に進んでいることを示している。NilotinibがCMLの初回治療にGleevicより効果が高いかもしれないとの強い可能性がある。

参考文献:

 Giles F, Ottmann O, Bhalla K, et al. Update on AMN107 in Leukemia. Proceedings from the 23rd annual Chemotherapy Symposium. New York, NY. November 2005. Abstract #19.


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翻訳担当者 野中 希

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

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