FDAがMMR機能欠損がある子宮内膜がんにdostarlimabを承認

 2021年4月22日、米国食品医薬品局(FDA)は、プラチナ含有レジメンで治療中または治療後に進行した、FDAが承認した検査で判定されるミスマッチ修復機能欠損(dMMR)がある、再発または進行子宮内膜がんを有する成人患者を対象に、dostarlimab[ドスタルリマブ](商品名:Jemperli、GlaxoSmithKline LLC社)を迅速承認した。

 有効性は、進行性固形がん患者を対象とした多施設共同、複数コホート、非盲検試験である、GARNET試験(NCT02715284)のコホート(A1)に基づいて評価された。有効性を示した集団に、プラチナ含有レジメンで治療中または治療後に進行したdMMRがある再発または進行子宮内膜がん患者71名が含まれていた。患者にドスタルリマブ 500mgを3週間ごとに4回投与後、1,000mgを6週間ごとに静脈内投与した。

 主要な有効性評価項目は、RECIST 1.1規準第1.1版に基づいて盲検下の独立中央審査(BICR)で評価された全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった.確定したORRは42.3%(95%CI:30.6%、54.6%)であった。完全奏効率は12.7%、部分奏効率は29.6%であった。DORは中央値に達しておらず、93.3%の患者が6カ月以上(範囲:2.6~22.4カ月、最終評価時に継続中)の奏効期間を有していた。

 重篤な副作用は、ドスタルリマブ投与を受けた患者の34%に認められた。2%以上の患者に認められた重篤な副作用は,敗血症,急性腎不全,尿路感染,腹痛,発熱であった。最も一般的な副作用(20%以上)は,疲労/無力感,悪心,下痢,貧血,便秘であった。最も一般的なグレード3または4の副作用(2%以上)は、貧血、トランスアミナーゼ上昇であった。免疫関連副作用として、肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎が起こる可能性がある。

 ドスタルリマブの推奨用量およびスケジュールは、500mgを3週間ごとに投与し(1~4回目)、4回目の投与の3週間後から、1,000mgを6週間ごとに疾患進行または許容できない毒性が認められるまで継続するというものである。ドスタルリマブは、30分かけて静脈内に注入する。

 ドスタルリマブ全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者 後藤若菜

監修 田原梨絵(乳腺科、乳腺腫瘍内科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

子宮がんに関連する記事

子宮体がん治療における免疫チェックポイント阻害薬の役割拡大に期待の画像

子宮体がん治療における免疫チェックポイント阻害薬の役割拡大に期待

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ2つの大規模臨床試験の結果が発表されたことで、進行子宮内膜がん(子宮体がん)の女性にとって免疫療法はより一般的な治療になる可能性がある。

両試...
進行/再発子宮体がんの新たな治療基準となるか: ドスタルリマブRUBY試験結果の画像

進行/再発子宮体がんの新たな治療基準となるか: ドスタルリマブRUBY試験結果

進行した子宮体がん患者に対し、PD-1(チェックポイント)阻害剤であるドスタルリマブ(販売名:Jemperli[ジェンペルリ])と標準化学療法(カルボプラチンとパクリタキセル)を併用した。
子宮がんの死亡率:NCIミニットの画像

子宮がんの死亡率:NCIミニット

米国国立がん研究所(NCI)が制作した動画に、一社)日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT/ジャムティ)が日本語字幕を付けたものです。 ◆─────────────────◆ 最新のNCI Minuteでは、NCI報道部長のJames
進行子宮内膜がんにレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用がQOL悪化までの時間を延長の画像

進行子宮内膜がんにレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用がQOL悪化までの時間を延長

治療歴のある進行子宮内膜がんに対するレンバチニブ(販売名:レンビマ)とペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)併用療法の有用性が、患者報告アウトカム(PRO)によって裏付けられた プラチナ製剤による治療後に進行した子宮内膜がん患者において、