FDAが子宮頸癌の1次スクリーニング検査としてHPV検査を初承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE: 2014年4月24日
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FDAが子宮頸癌の1次スクリーニング検査としてHPV検査を初承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、25歳以上の女性を対象にヒトパピローマウイルス(HPV)DNA検査法を初めて承認した。この検査法は単独使用で医療従事者が子宮頸癌の精密診断検査が必要かどうかを判断する際の材料となりうる。また、この検査によって、将来の子宮頸癌発症リスクに関する情報も得ることができる。
コバスHPVテスト(製品名、cobas HPV Test)は、子宮頸部から採取した細胞から14種類のハイリスク型HPVのDNAを検出する。この検査では、HPV16型とHPV18型を別個に検出し、他の12種類のハイリスク型HPVも同時に検出する。
コバスHPVテストでHPV16型またはHPV18型が陽性の場合は、コルポスコピー(機器を用いて子宮頸部に光を照らし拡大観察する検査法で、子宮頸部の細胞を直接観察できる)を実施すべきである。他の12種類のハイリスク型HPVが1種類以上陽性の場合は、パップテスト(子宮頸部細胞診)を実施してコルポスコピーを受ける必要があるかどうかを判断する。医療従事者は、コバスHPVテストの結果を患者の過去の検診結果や危険因子、現行の専門家向けガイドラインなどの情報と総合して利用するべきである。
「本日の承認によって、女性や医師は子宮頸癌検診に関する新しい選択肢をもつことになります」とFDA医療機器・放射線保健センターの体外診断薬・放射線保健室長のAlberto Gutierrez博士は述べる。「Roche Diagnostics社は適切にデザインされた試験を実施し、子宮頸癌の1次スクリーニング検査法としてコバスHPVテストの安全性および有効性が合理的に保証されることをFDAに示しました」。
当初、FDAは2011年にコバスHPVテストをパップテスト(子宮頸部細胞の悪性化の有無を調べる)との併用またはパップテスト後の経過観察用として承認した。
本日の承認で、コバスHPVテストの適応がパップテストとの併用検査または子宮頸癌の1次スクリーニング検査へと拡大したが、これに伴う現行の子宮頸癌検診ガイドラインの変更はない。ガイドラインはFDA以外の組織によって策定、審査、改訂される。
性器HPVには40種類以上の類縁ウイルスが存在し、米国疾病対策予防センター(CDC)によると、最も一般的な性感染症の原因である。約14種類の「ハイリスク」型HPVが子宮頸癌に関与している。
ほとんどの場合、ハイリスク型HPV感染症は自然消退し、健康上の問題を生じることはない。しかし、ハイリスク型HPVに感染した女性の約10%で持続感染がみられ、癌発症のリスクが生じる。子宮頸癌の原因はすべてHPV感染症であると言っても過言ではなく、このうちHPV16型とHPV18型の2種類だけで子宮頸癌の原因の約70%を占めている。
子宮頸癌の1次スクリーニング検査としてのコバスHPVテストの有用性を支持するデータには、子宮頸癌検診を受けている25歳以上の女性40,000人以上を対象とした試験も含まれている。パップテストまたは子宮頸部細胞のHPV検査のいずれかが陽性の女性に、パップテストとHPV検査の両方とも陰性の女性を対照として、コルポスコピーと子宮頸部組織生検を実施した。すべての生検結果をパップテストおよびコバスHPVテストの結果と比較した。この試験のデータにはコルポスコピーを受けた女性の3年間の追跡調査結果も含まれており、コバスHPVテストが新規適応に対して安全かつ有効であることが示された。
コバスHPVテストはカリフォルニア州プレザントンに本拠を置くRoche Molecular Systems社が製造している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
March 12, 2014 Advisory Committee Meeting (ACM) materials(2014年3月12日諮問委員会会議試料)
FDA: Medical Devices(医療機器)
FDA: Office of In Vitro Diagnostics and Radiological Health(体外診断薬・放射線保健室)
Centers for Disease Control and Prevention — Human Papillomavirus Information(ヒトパピローマウイルスに関する情報)
National Institutes of Health: HPV and Cancer(HPVと癌)
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佐々木真理 訳
喜多川 亮(産婦人科/NTT東日本関東病院)監修
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