FDAが子宮体がんにドスタルリマブ+化学療法を承認

米国食品医薬品局(FDA)

2023年7月31日、米国食品医薬品局(FDA)は、同局による承認済み検査でミスマッチ修復機能欠損(dMMR)が認められるか、高頻度のマイクロサテライト不安定性(MSI-H)の初発の進行子宮体がん(子宮内膜がん)または再発子宮体がんに対して、カルボプラチンとパクリタキセルとの併用およびその後の単剤投与として、dostarlimab-gxly(販売名:Jemperli、グラクソ・スミスクライン社)を承認した。

有効性は、多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のRUBY試験(NCT03981796)で評価された。評価対象となったのは、dMMR/MSI-Hである初発進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者122人からなる事前に設定したサブグループである。腫瘍のMMR/MSIの状態は、各施設の検査(IHC、PCR、NGS)で判定したが、判定できない場合はVentana MMR RxDx Panelを用いた中央機関での検査(IHC)で判定した。

患者は、dostarlimab-gxlyにカルボプラチンおよびパクリタキセルを併用後dostarlimab-gxlyを投与する群と、プラセボにカルボプラチンおよびパクリタキセルを併用後プラセボを投与する群のいずれかに無作為(1対1)に割り付けられた。化学療法レジメンは下記リンク先の全処方情報に記載されている。ランダム化は、MMR/MSIの状態、骨盤への外部放射線照射療法の既往、および疾患の状態(再発、初発のステージIII、または初発のステージIV)について層別化しておこなわれた。

主要評価項目は、RECIST v 1.1に基づく治験担当医師の評価による無増悪生存期間(PFS)であり、dMMR/MSI-Hの患者において統計的に有意な改善が認められた。PFSの中央値は、dostarlimab-gxly群で30.3カ月、プラセボ群で7.7カ月(ハザード比[HR]0.29、95%CI:0.17、0.50、p < 0.0001)であった。

dostarlimab-gxlyの投与に伴って、免疫介在性の有害事象である、肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害(甲状腺機能低下症など)、腎機能障害を伴う腎炎、皮膚反応の有害事象などが認められた。カルボプラチンおよびパクリタキセルを併用したdostarlimab-gxly群で特に多く認められた有害事象(20%以上)は、発疹、下痢、甲状腺機能低下症、高血圧であった。有害事象の全データは下記のリンク先の全処方情報を参照のこと。

dostarlimab-gxlyの推奨用量は、カルボプラチンおよびパクリタキセルとの併用で500mgを3週ごとに6回投与し、その後、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで、または最長3年まで1,000mgを6週ごとに単剤投与する。同じ日に化学療法もおこなう場合は、化学療法の前にdostarlimab-gxlyを投与する。

Jemperliの全処方情報はこちら

  • 監訳  喜多川 亮(産婦人科/総合守谷第一病院 産婦人科)
  • 翻訳担当者 筧 貴行
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  • 原文掲載日 2023/07/31

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