腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんの新治療試験

がんなどの疾患により良い治療法を医師が発見できる主な方法が臨床試験である。常に多くの臨床試験が精力的に進められ、実現可能な新規がん治療法および副作用の予防・軽減方法が模索されている。本ポッドキャストシリーズでは、Cancer.Net(ASCO患者向けサイト)編集委員会の委員が、泌尿生殖器がんを研究対象とする現在進行中の臨床試験について専門家の意見を共有するものである。

本ポッドキャストでは、泌尿生殖器がんシンポジウム2020で発表される臨床試験3例について、Sumanta(Monty)Pal医師がNeeraj Agarwal医師、Petros Grivas医師(医学博士)、Tian Zhang医師との討論を主導する。シンポジウムは2月13日から15日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される。

VISION第3相臨床試験では、177Lutetium-PSMA-617と呼ばれる新たな放射線粒子治療が転移性前立腺がん患者の延命に寄与するかどうかが検証されている。[4:47]

INTACT第3相臨床試験では、膀胱温存療法へのアテゾリズマブ(販売名:テセントリク)免疫療法の追加が、限局性の筋層浸潤性膀胱がん患者の延命につながるかどうかの研究が行われている。[9:57]

PROSPER第3相臨床試験は、腎臓がんの術前または術後にニボルマブ(販売名:オプジーボ)免疫療法を追加することが、病気の再発または体の別の部位への転移の進行を遅らせたり防止したりできるかどうかを検証する目的で研究が進められている。[18:49]

Pal医師はシティ・オブ・ホープの腎臓がんプログラム共同責任者、同研究所の腎臓・膀胱がん疾患チームのリーダー、Cancer.Net泌尿生殖器がん部門の副編集長でもある。Agarwal医師は、ユタ大学ハンツマンがん研究所の泌尿生殖器腫瘍プログラムを統括し、Cancer.Net泌尿生殖器がん部門の専門編集者を務めている。Grivas医師は、ワシントン大学医学部の泌尿生殖器がんプログラムの臨床部長およびフレッド・ハッチンソンがん研究センターの臨床研究部門の準会員、ならびにCancer.Net泌尿生殖器がん部門の専門編集者である。Zhang医師は、デューク大学医学部助教授およびデュークがん研究所の腫瘍内科医、ならびにCancer.Net泌尿生殖器がん部門の専門編集者である。

本ポッドキャストで意見が交わされた各研究の要旨と研究著者の公開情報は、ASCOのWebサイト内の泌尿生殖器がんシンポジウム2020に関するページで閲覧が可能である。要旨番号は、上から順番に#TPS259、#TPS586、および#TPS7565である。本ポッドキャストの発言者の公開情報は、前段落に掲載されている個別の経歴から確認できる。

本ポッドキャストは役に立ちましたか? AppleポッドキャストまたはGoogle PlayでCancer.Netポッドキャストの購読、評価、レビューをお願いします。事前に録音された本ポッドキャストは、オンラインまたはコンピューターにダウンロードして視聴できます。全文も入手可能です。詳細はCancer.Netポッドキャストページをご覧ください。Cancer.Netポッドキャストの内容と放送時間は一部編集されています。

***Cancer.Net ポッドキャスト(英語)は原文ページを参照ください。

翻訳担当者 水町敦子

監修 榎本 裕(泌尿器科/三井記念病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

腎臓がんに関連する記事

体幹部定位放射線治療(SBRT)が早期腎臓がんの重要な治療法となる可能性の画像

体幹部定位放射線治療(SBRT)が早期腎臓がんの重要な治療法となる可能性

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ一部の腎臓がん患者にとって、体幹部定位放射線治療(SBRT)と呼ばれる治療法は、手術が選択できない場合に非常に有効な治療法と考えられることが...
ベルズチファンはエベロリムスより進行腎がんの予後を改善の画像

ベルズチファンはエベロリムスより進行腎がんの予後を改善

ダナファーバーがん研究所免疫チェックポイント阻害薬および抗血管新生薬による治療歴のある患者において、新たな安全性の懸念が生じることなく無増悪生存期間が改善した

第3相臨床試験において、ベ...
進行腎臓がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の逐次投与を強く否定する研究結果の画像

進行腎臓がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の逐次投与を強く否定する研究結果

ダナファーバーがん研究所研究の概要

表題:免疫チェックポイント阻害薬による治療の後進行した転移性腎細胞がんに対するアテゾリズマブ+カボザンチニブ併用療法とカボザンチニブ単独療法の有効性と...
免疫療法薬後の腎がん脳転移は免疫抑制による腫瘍微小環境が関連かの画像

免疫療法薬後の腎がん脳転移は免疫抑制による腫瘍微小環境が関連か

米国癌学会(AACR)脳転移の治療標的の特定にシングル核RNAシーケンスと空間トランスクリプトームを適用した研究

腎細胞がん患者の脳転移には全く異なる遺伝子発現プログラムがあり、原発腫瘍...