FDAが腎臓癌治療の新治療を承認(ネクサバール)

原文
進行腎細胞癌にFDAの新治療承認

米国食品医薬品局(FDA)はNexavar (sorafenibトシレート)を最も多いタイプの腎臓癌である進行した腎細胞癌の成人患者の治療のための新抗癌剤として承認した。
「進行した腎臓癌を治療するNexavarの承認は、この種の癌の患者にとって待望の選択肢をもたらすことになる。」と、FDA’s Center for Drug Evaluation and Research (CDER)の責任者Dr. Steven Galson氏は述べた。「FDAは、限られた選択肢しかない癌やその他の重篤な疾病の患者への新しく有効な治療の開発への支援に懸命に取り組んでいる。」 米国において、腎臓癌はすべての成人の癌の約3%を占める。アメリカ癌協会によると、32000の新症例が新たに診断され、12000人が毎年この疾病のために死亡する。腎臓癌の発症が最も多いのは50歳から70歳であり、男性の発症は女性のほぼ2倍である。早期に診断されれば外科手術によって治癒が可能な場合がある。しかしながら、腫瘍が進行していた場合(例えば、外科的切除不能や他臓器に転移など)、治療は困難である。

進行腎癌の患者における2つの試験で、Nexavarが腫瘍の進行や死亡までの期間を延長させた。大規模試験では、大半の患者が以前にインターロイキン-2やインターフェロンの治療を受けていた。腫瘍の進行と死亡までの期間の中央値は、Nexavar治療を受けた患者群で167日であり、この薬を受けなかった群では84日であった。

Nexaverを受けた患者に多く報告された一過性の副作用としては、発疹、下痢、血圧上昇、手のひらや足の裏の発赤、痛みを伴う腫れ、水疱形成などであった。

Nexaverは、コネチカット州Westhavenにあるバイエル・ファーマスーティカルズ社(Bayer Pharmaceuticals Corporation)によって流通販売される。

(野中希 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修 )

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

腎臓がんに関連する記事

腎臓/膵臓がんに対する新たな免疫ベース治療法、実現の兆し?の画像

腎臓/膵臓がんに対する新たな免疫ベース治療法、実現の兆し?

腎臓がんと膵臓がんに対する新たな免疫療法が、2つの小規模臨床試験で有望な結果を示した。どちらの試験でも、腫瘍摘出手術が成功した患者において、これらの治療法ががん再発を予防する効果が示唆...
転座腎細胞がんの新たな患者協働プロジェクトが始動の画像

転座腎細胞がんの新たな患者協働プロジェクトが始動

腎臓がんの中でも希少で侵攻性の高い転座腎細胞がん(tRCC[translocation renal cell carcinoma])に焦点を当てた新たな患者協働型研究プロジェクト、Co...
ヒトゲノムに潜伏するウイルスが腎臓がん免疫療法薬の新たな方向性を示唆の画像

ヒトゲノムに潜伏するウイルスが腎臓がん免疫療法薬の新たな方向性を示唆

研究タイトルHIFは翻訳された複数の内在性レトロウイルスを制御: がん免疫療法への示唆掲載誌Cell 誌 2025年2月28日 11:00am ET ...
進行腎がんにアベルマブ+アキシチニブ併用はスニチニブよりも優れる(第3相最終期解析)の画像

進行腎がんにアベルマブ+アキシチニブ併用はスニチニブよりも優れる(第3相最終期解析)

JAVELIN Renal 101試験の最終解析結果

未治療の進行腎細胞がん(RCC)患者を対象に実施された第3相JAVELIN Renal 101試験では、最終的な全生存率(OS)解析...