FDAが尿路上皮がんにアベルマブを迅速承認
米国食品医薬品局(FDA)は2017年5月9日、プラチナベース化学療法による治療中または治療後に病勢進行が認められた局所進行または転移性の尿路上皮がん患者、およびプラチナベースの術前または術後補助化学療法から12カ月以内に病勢進行が認められた同疾患患者の治療薬として、avelumab[アベルマブ](商品名:Bavencio、EMD Serono, Inc社)を迅速承認した。
承認は、オープンラベル、シングルアーム、多施設試験のデータに基づいており、試験には、プラチナベース療法による治療中または治療後に病勢進行が認められた局所進行または転移性の尿路上皮がん患者、およびプラチナベースの術前または術後補助化学療法レジメンから12カ月以内に病勢進行が認められた同疾患患者242人が参加した。患者にはアベルマブ10 mg/kgを2週間ごとに静脈内投与し、投与は放射線学的または臨床的な病勢進行や許容できない毒性が発現するまで継続した。アベルマブを投与する前には、すべての患者に対して毎回抗ヒスタミンとアセトアミノフェンの前投薬を行った。全奏効率(ORR)は、13週間以上追跡した患者群では13.3%(n=30)(95% CI:9.1-18.4)、6カ月以上追跡した患者群では16.1%(n=26)(95% CI:10.8-22.8)であった。奏効までの期間の中央値は2.0カ月(範囲は1.3~11.0)で、奏効期間の中央値にはどちらの患者群も達していないが、両群とも+1.4~+17.4カ月の範囲であった。
有害反応による死亡は6%の患者で発生し、重度の有害反応は41%の患者で報告された。2%以上の患者で報告された最も起こりやすい重篤な有害反応は、尿路感染/尿路性敗血症、腹痛、筋骨格痛、クレアチニン増加/腎不全、脱水、血尿/尿路出血、腸閉塞/小腸閉塞、発熱であった。20%以上の患者で発生した最も多い有害反応は、疲労、注入に伴う反応、筋骨格痛、悪心、食欲減退、尿路感染であった。
アベルマブの推奨用量は2週間毎に10mg/kgで、60分かけて静脈内注入する。最初の4回は、アベルマブを注入する前に抗ヒスタミンとアセトアミノフェンを前投薬する。
全処方情報については以下を参照すること。
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/761078s000lbl.pdf
FDAは本申請に対して優先的な審査を実施し、アベルマブの本疾患への適用を目標日より約3カ月早く承認した。FDAの迅速プログラムの説明は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」を参照すること。
http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf
医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われるすべての重篤な有害事象をFDAのMedWatch Reporting Systemに報告する必要がある。報告は、オンラインでのフォームの提出(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで入手可能なフォーム(郵便料金受取人払)の郵送・FAX(1-800-FDA-0178)、または電話(1-800-FDA-1088)のいずれかの方法で行う。
Oncology Center of Excellenceのツイッターのフォローはこちらから@FDAOncology
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
膀胱がんに関連する記事
高リスク膀胱がんに対する術後ペムブロリズマブは無病生存期間を延長
2024年10月1日
FDAがBCG不応性の筋層非浸潤膀胱がんにノガペンデキン アルファ インバキセプトを承認
2024年5月12日
尿路上皮がんにエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブ併用で生存期間がほぼ2倍に
2024年3月29日
進行膀胱がんにエンホルツマブ併用療法が新たな選択肢に
2023年12月19日