ゼローダ(カペシタビン)と放射線療法の併用は高齢または衰弱した膀胱癌患者に有効

キャンサーコンサルタンツ
2005年8月

ウェイン州立大学の研究発表によると、ゼローダ(カペシタビン)と放射線療法の併用は手術やPlatinol(シスプラチン)をベースとした化学療法の対象とならない高齢または衰弱した膀胱癌患者にとって忍容性と有効性に優れた治療法である。この小規模な第2相試験の詳細は2005年8月1日発行のInternational Journal of Radiation Oncology, Biology, Physicsで報告されている。

局所進行性または転移性膀胱癌の治療では約20年前に併用化学療法が開発され、膀胱癌患者の平均余命が伸びた。2000年に、大規模な第3相ランダム化試験でGemzar(gemcitabine)Platinol併用療法の同等性が確認されたが、この年までメトトレキサート、Velban (ビンブラスチン)、ドキソルビシン およびPlatinol(MVAC)または MVEC(メトトレキサート、 Velban, Ellence(エピルビシン)およびPlatinol)が治療の基準とされていた。Gemzarは第2相試験でも ParaplatinTaxotereとの組み合わせで同様の結果が出ている。最近の別の研究ではPlatinolとメトトレキサートも、局所進行膀胱癌で膀胱を切除した後の補助療法としてはMVECと同様の無進行生存率であり、MVECよりも忍容性が良い可能性があることが分かった。治療で投与する薬は4種類ではなく2種類だが、膀胱癌の化学療法にはなお強い毒性があるため、特に高齢の患者や重度の併存疾患を有する患者で毒性を更に弱める研究をすることとなった。

今回の研究では患者14例に対して、ゼローダ療法と小骨盤に対する同時併用放射線療法を評価した。ここには膀胱切除やPlatinolをベースとする化学療法の対象と思われる患者は一人も含まれていない。この患者群の年齢の中央値は80歳、最高年齢は88歳であった。患者14例中5例は一般状態不良であった。患者14例中限局性疾患患者は9例、進行性疾患患者は5例であった。中等度の毒性があり入院の必要があるとされた患者はわずか3例であった。77%の患者が完全寛解となり、中央値11ヶ月の追跡期間で治療に反応した11例中再発は3件あった。研究の著者は、ゼローダと放射線療法の併用は予後不良の膀胱癌患者にとり忍容性と有効性に優れた選択肢であると結論付けている。

コメント

上記の研究結果は、毒性は低くても有効性が保たれた治療法を膀胱癌患者のために開発していく傾向に沿ったものである。


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翻訳担当者 Chihiro

監修 榎本 裕(泌尿器科) 

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