新しい「エネルギーと癌に関する学術的研究センター」への資金援助を発表

NCIニュースノート

NCIは、肥満と癌との関連性を調査する従来の共同契約イニシアチブに対する新たな資金援助を本日発表した。エネルギーと癌に関する学術的研究(TREC)センター1は、食生活、体重、身体活動と、これらの要因がエネルギーバランスや癌に及ぼす影響の研究を統合する。このセンターは、新任ならびに常勤の研究者らに研修の機会も提供する。プロジェクトは、エネルギーバランスの生物学的・生理学的メカニズムから、癌生存者や他の高リスク集団の栄養状態、身体活動、体重における行動的、社会文化的、環境的影響へと多岐にわたる。

この新規TRECイニシアチブは、以下に挙げた研究センター4カ所と調整センター1カ所に5年間にわたり4500万ドルの資金を援助する。

ペンシルベニア大学(フィラデルフィア市);施設研究責任者はKathryn Schmitz博士。本プロジェクトは、癌サバイバーシップの長さや質の改善という目的に向けた運動および減量の介入を通じて、エネルギーと癌サバイバーシップに焦点を合わせる。

ハーバード大学(ボストン市);施設研究責任者はFrank Hu医学博士。本プロジェクトは、肥満の行動的・生理学的決定因子について理解を深めることと、癌のリスクや癌サバイバーシップにおける肥満の生物学的関連性を解明するようにデザインされている。

カリフォルニア大学サンディエゴ校;施設研究責任者はRuth Patterson博士。本プロジェクトは、エネルギーバランスと乳癌発症との関連の基礎にあるインスリン抵抗性と炎症を重点的に調べる。

ワシントン大学(セントルイス市);施設研究責任者はGraham Colditz医師、公衆衛生学博士。本プロジェクトは、癌生存者を含む、癌の転帰における肥満と身体活動不足の影響を調べる研究に重点を置き、さらに、肥満と治療の転帰を調査することにより、肥満を予防し肥満による癌の負担を軽減するための政策と実践に情報の提供を行う。

フレッドハッチンソン癌研究センター(シアトル市);施設研究責任者はMark Thornquist博士。当施設は、TREC調整センターとしての機能を果たし、各TRECセンター間およびNCIとの情報交換、データの共有、普及、評価を支援する。

翻訳担当者 マクドナルド 晋子

監修 須藤 智久(薬学、臨床試験/国立がん研究センター)

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