免疫不全患者にはCOVID-19ワクチン3回目接種を推奨

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの腫瘍集学的治療グループと感染症の専門家らは、免疫力が低下している人へのCOVID-19ワクチンの3回目接種に関して、米国食品医薬品局(FDA)および疾病管理予防センター(CDC)から入手可能なすべてのデータを検討した。これらの専門家らは、がん患者を含む、免疫低下がある人にとって同じワクチンの追加接種が有益である可能性を示す証拠は確実なものであると断言している。COVID-19ワクチンはがん患者に対して安全で推奨されるものである。

MDアンダーソンのワクチン外来では、8月21日(土)より、対象となる患者と職員へCOVID-19ワクチンの3回目接種を開始した。対象者は12歳以上で、モデルナまたはファイザーのCOVID-19ワクチン接種をすでに2回受け、かつ下記の健康状態にあるか免疫システムが弱まる治療を最近受けた人である。
・がんの治療中または最近治療を受けた
・臓器移植や幹細胞移植を受けた
・原発性免疫不全、または進行/未治療感染症の既往歴がある
・免疫抑制療法を現在受けている
・その他の状態により治療担当医からの指示を受けている

対象となるMDアンダーソンの患者は、ポータルサイトMyChartで3回目接種の予約が可能である。MDアンダーソンで前回の接種を受けていない場合、2回の接種が少なくとも28日前に完了していることを示す証明書を提示し、さらに免疫不全状態の基準を満たすことを証明する必要がある。治療中の場合は、3回目接種の最適な時期についてMDアンダーソンの腫瘍専門医の助言を受けることが推奨される。免疫力が低下している人は、マスクの着用や社会的距離をとるなど、COVID-19予防対策を継続して行うことも重要である。

また、MDアンダーソンでは未接種の人にも早急な接種を奨励しており、同センターのある地域住民へCOVID-19のワクチン接種を実施している。希望者はオンラインでワクチン接種の予約ができる。

*サイト注:本記事は、米国のニュースです。日本の事情とは異なることをご理解ください。
参考:米国食品医薬品局(FDA)ニュース2021/08/12「FDAは免疫不全の人のために3回目のコロナワクチンを許可」

翻訳担当者 白濱紀子

監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/九州大学病院 呼吸器科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

がん医療に関連する記事

がんの現状に関する米国年次報告書:NCIミニットの画像

がんの現状に関する米国年次報告書:NCIミニット

https://youtu.be/LyPQCTEo2OQ最新のNCIミニッツでは、報道部長のJames Alexanderが、米国におけるがんの発生と傾向に関する情報を提供...
遠隔診療とがんケア:NCIミニットの画像

遠隔診療とがんケア:NCIミニット

https://youtu.be/EjYo8k2M29k最新のNCIミニットでは、NCI報道部長のJames Alexanderが、がん関連ケアに遠隔診療を利用する方法につ...
世界規模の研究支援で4つがん研究が始動:NCIミニットの画像

世界規模の研究支援で4つがん研究が始動:NCIミニット

https://youtu.be/ThIuCB7vDGQ最新のNCIミニッツでは、NCIプレスチーフがNCIとキャンサーリサーチUKのパートナーシップであるキャンサー・グラ...
がんワクチンはどこまできたかの画像

がんワクチンはどこまできたか

キャンサーリサーチUK
予防接種(ワクチン)は、医療界と人の健康に大きな変化をもたらしました。麻疹やおたふくかぜ、ポリオ、そして最近では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から私たちを守...