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MDA研究ハイライト:欧州血液学会(EHA22)発表【2】白血病

4) マグロリマブとアザシチジンの併用療法は、TP53変異陽性AMLに対して持続的寛解と有望な結果を示す(アブストラクト番号:S132

TP53変異陽性急性骨髄性白血病(AML)の高リスク患者では、治療選択肢が限られ、予後が極めて不良である。マグロリマブは、CD47(「私を食べないで(don’t eat me)」シグナルを発するマクロファージ免疫チェックポイント分子)を阻害するように設計されたモノクローナル抗体であり、それにより白血病細胞の破壊が可能になる。非臨床試験において、マグロリマブとメチル化阻害薬のアザシチジン(販売名:ビダーザ)を併用したところ、「私を食べて(eat me)」シグナルの数が増え、腫瘍細胞の排除が促進された。Naval Daver医師が発表した第1b相試験では、新たに高リスクのTP53変異陽性AMLと診断された患者72人を対象に、この併用療法の安全性、有効性および忍容性を評価した。寛解率(ORR)は48.6%、完全寛解率は33.3%であった。寛解までの期間中央値は2.2カ月、完全寛解持続期間中央値は7.7カ月、全生存期間中央値は10.8カ月であった。主な副作用は、便秘、下痢、発熱性好中球減少症、悪心および疲労などであった。この結果は、本併用療法の安全性プロファイルが良好で、初期結果が有望であることを示唆している。現在、新たにTP53変異陽性AMLと診断された患者を対象に、この治療法を現在の標準治療と比較する第3相試験が進行中である。Daver医師は6月10日にこの結果を発表する。

5) 化学免疫療法への分子標的療法の追加は、IGHV変異陽性CLL患者に長期的利益がもたらす(アブストラクト番号:S149

フルダラビン、シクロホスファミドおよびリツキシマブ(FCR)の併用による化学免疫療法は、慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療に有効であり、IGHV変異のある患者に良好な長期転帰をもたらす。MDアンダーソンがんが主導した第2相試験において、研究者らは、未治療のIGHV変異陽性CLL患者45人を対象に、化学免疫療法と分子標的療法の併用[イブルチニブ(販売名:イムブルビカ)、フルダラビン、シクロホスファミドおよびオビヌツズマブ(販売名:ガザイバ)](iFCG)の有効性を評価した。追跡期間中央値の56.8カ月後の本試験の長期転帰について、Nitin Jain医師が報告した。わずか3サイクルの投与後に、87%の患者が微小残存病変陰性(U-MRD)を達成し、治療を継続することで効果が改善した。5年無増悪生存率(PFS)および全生存率(OS)は、それぞれ97.7%および97.8%であった。1人にCLLの進行が認められた。リヒター形質転換を起こした患者はいなかった。この結果から、従来の6サイクルの化学療法に対して、iFCGはわずか3サイクルの化学療法で微小残存病変陰性の高い寛解率と長期生存率をもたらすことが明らかになった。Jain医師は6月12日にこの結果を発表する。

6) 慢性骨髄単球性白血病(CMML)の治療法開発および治療失敗回避のための潜在的な標的シグナルを特定(アブストラクト番号:S160

日本語記事監修:北尾 章人(腫瘍・血液内科/神戸大学大学院医学研究科)

翻訳担当者坂下 美保子

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