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多巣性肝内胆管がんに肝動脈注入ポンプ(HAIP)フロクスウリジン化学療法

多巣性肝内胆管がん(iCCA)には肝動脈注入ポンプ(HAIP)フロクスウリジン化学療法が外科手術に代わる効果的な治療法となり得ることが、コホート試験により示唆された。

「このような知見は、実地医療を変えるものであると考えている」とエラスムスMCがん研究所(ロッテルダム)の Stijn Franssen氏とBas Groot Koerkamp博士はロイターヘルスに電子メールで伝えた。「現在のガイドラインでは、多巣性iCCAの一次治療は緩和的全身化学療法のみであり、3年以上生存する患者はいない。われわれは本試験の結果に基づいて、一次治療として、全身化学療法とフロクスウリジンを用いたHAIP化学療法の併用を推奨する」。

「もう一つの方法として、フロクスウリジンを用いたHAIP化学療法は、先に全身化学療法を実施した後の2次治療として実施することができる」と両氏はいう。「この治療により、患者の約3分の1が3年以上生存すると思われる。外科手術が適応となる選ばれた患者の場合、外科的切除後の転帰はほぼ同じであるが、術後死亡の初期リスクが高くなる」。

JAMA Surgery誌に報告されたように、本試験の研究者らは、HAIPフロクスウリジン化学療法を実施した多巣性iCCA患者(141人、年齢中央値62歳、女性56%)と、切除術を実施した同疾患患者(178人、年齢中央値60歳、男性51%)の全生存期間(OS)を比較した。

HAIP群の患者は両葉に発病している割合が高く(88%対34.3%)、腫瘍が大きく(中央値、8.4cm対7.0cm)、病変が4個以上の患者の割合が高かった(66.7%対24.2%)。

30日後の施術後死亡率は、HAIP群では0.8%、切除術群では6.2%であった。

全生存期間中央値は、HAIP群では20.3カ月、切除術群では18.9カ月であった。

病変が2個または3個の患者の5年生存率は、HAIP群では23.7%、切除術群では25.7%であるのに対し、病変が4個以上の患者の5年生存率は、HAIP群では5.0%、切除術群では6.8%であった。

腫瘍径、腫瘍数およびリンパ節転移を調整した後のHAIP群と切除術群のハザード比は0.75であった。

「大量肝切除術の合併症率を考えると、多巣性iCCAの切除術は慎重に検討する必要があり、HAIPフロクスウリジン化学療法は効果的な代替法である」と著者らは論文で述べている。

Frassen氏およびGroot Koerkamp博士によれば、オランダでは、切除不能なiCCAにフロクスウリジンを用いるHAIP化学療法を検討する第2相多施設臨床試験が1月に患者登録を完了し、オランダの複数の施設が、緩和的全身化学療法とフロクスウリジンによるHAIP化学療法の併用療法と、単独の緩和的全身化学療法とを比較する国際ランダム化比較試験に参加する予定である。

関連する論説の著者であるミシガン大学医学部(アナーバー)のClifford Cho博士はロイターヘルスに電子メールでコメントし、その中で「この論文を初めて読んだとき、このような患者にはポンプ化学療法をもっと積極的に実施するべきだという結論に達した」と述べている。「しかし、この試験に関してさらに考えを進めるにつれ、反対の結論に達し始めた」。

「この試験によって、腫瘍の多病巣性は本質的にカテゴリー変数ではないことを再確認することができた。腫瘍が2個あるのは1個よりも悪いことはもっともであり、腫瘍が8個あるのは2個よりもさらに悪いことであるというのももっともなことである」とCho博士はいう。「腫瘍が2個または3個の患者に焦点を当てた場合、切除術とポンプ化学療法の差を評価することは困難だった。しかし、少なくとも数理上では切除後に5年生存する可能性が認められた」。

「腫瘍が3個より多い患者に焦点を当てた場合、切除術とポンプ化学療法、間接的には全身化学療法の差を評価することは困難であり、長期生存の予測はできなかった」と指摘している。

「このような観点から検討し、この極めて重要な論文から2つの結論に達した。(1)多巣性病変の定義にかろうじて当てはまる(すなわち、腫瘍が2個の)ごく一部の患者には、手術による切除が有効である可能性があるため、そのような患者には少なくとも切除術を検討する必要がある。(2)多巣性病変が疑いの余地なく認められる患者には全身化学療法よりも効果的な治療法はないと思われる」。

SOURCES: https://bit.ly/3sG2Crc and https://bit.ly/3wvhI3P JAMA Surgery

翻訳担当者渡邉純子

監修野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)

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