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チスレリズマブ上乗せ化学療法で上咽頭がんの無増悪生存期間が改善

米国臨床腫瘍学会(ASCO)の見解

「本試験は、化学療法とチスレリズマブ[tislelizmab]併用で、再発・転移性上咽頭がん患者の生存期間が延長し、併用療法により、このような患者にとって治療の選択肢が増えることを実証しています」  – Sharon Spencer医師、ASCOの上咽頭がん専門医

化学療法とチスレリズマブを併用した、再発・転移性上咽頭がん患者の無増悪生存期間(PFS)は、化学療法単独の場合よりも、統計的・臨床的に有意な改善が認められた。上記の結果は、2022年4月19日15時(米国東部時間)に開催されるASCOプレナリーシリーズのセッションで発表される予定である。  

上咽頭がんは、咽喉の上部で鼻腔の後方、頭蓋底付近の鼻咽頭から発生する頭頸部がんの一種である。東南アジア、中東、北アフリカの特定の地域で発生率が高いとされている。再発・転移性上咽頭がんに対する現在の標準治療は、化学療法剤のゲムシタビン[gemcitabine]とシスプラチン[cisplatin]併用療法である。本試験が開始された当時、中国では、チスレリズマブは他のがんの治療薬として、単独または化学療法との併用で承認されていた。

RATIONALE-309試験では、263人の患者が、チスレリズマブと標準化学療法の併用群とプラセボと標準化学療法の併用群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。その結果、チスレリズマブと化学療法併用群のPFS中央値は9.6カ月で、プラセボと化学療法併用群の7.4カ月よりも改善し、疾患進行のリスクも50%低下することが確認された。チスレリズマブと化学療法併用群では、次の治療後のPFS中央値(PFS2)および全生存期間(OS)は未到達であった。プラセボと化学療法併用群では、PFS2が13.9カ月、OSが23カ月であった。

チスレリズマブと化学療法の併用は、プラセボと化学療法の併用の場合よりも、おおむね良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは同等であった。

 

「今回の結果は、再発・転移性上咽頭がんに対する一次治療として、チスレリズマブと化学療法の併用が標準治療となり得ることを支持するものです」と、臨床試験責任医師のLi Zhang医師(中国南方腫瘍学国家重点実験室および中山大学がん共同イノベーションセンター教授)は述べた。

本研究は、 BeiGene, Ltd.社からの資金提供により実施された。

翻訳担当者藤永まり

監修小宮武文(腫瘍内科・Parkview Cancer Institute)

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