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FDAが再発/難治性多発性骨髄腫にciltacabtagene autoleucelを承認

2022年2月28日、米国食品医薬品局(FDA)は、プロテアソーム阻害剤(PI)、免疫調節剤(IMiD)、抗CD38モノクローナル抗体を含む4種類以上の治療歴を有する再発/難治性多発性骨髄腫の成人患者の治療にciltacabtagene autoleucel(シルタカブタジン オートルーセル[cilta-cel])(販売名:CARVYKTI、Janssen Biotech, Inc.社)を承認した。

Ciltacabtagene autoleucelは、B細胞成熟抗原(BCMA)指向で遺伝子組換えした自己キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法薬である。それぞれの製剤は、患者自身のT細胞を用いてカスタマイズされる。これらのT細胞は患者から採取され、遺伝子改変を行い、再び患者に注入される。

Ciltacabtagene autoleucelの有効性および安全性は、オープンラベル、多施設共同臨床試験であるCARTITUDE-1 (NCT03548207) 試験において評価され、プロテアソーム阻害剤、免疫調節剤および抗CD38モノクローナル抗体を含む3種類以上の治療を受け、最後の化学療法レジメン実施中または実施後に疾患の進行がみられた再発または難治性多発性骨髄腫患者97人が対象とされた。患者の82%は過去に4種類以上の抗骨髄腫治療を受けていた。患者には、体重1kgあたり0.5~1.0×106個のCAR陽性生存T細胞の範囲内でciltacabtagene autoleucelを投与した。有効性は、国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group; IMWG)の多発性骨髄腫統一奏効基準を用いて、独立審査委員会が評価した全奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)に基づき定められた。全奏効率は97.9%(95%信頼区間[CI]:92.7%、99.7)であった。奏効した95人の患者のうち、奏効期間(DOR)の中央値は21.8カ月(95% CI:21.8、推定不能[NE])、追跡期間の中央値は18カ月であった。

Ciltacabtagene autoleucelの標識には、枠組み警告として、サイトカイン放出症候群(CRS)、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群(HLH/MAS)、免疫強化細胞関連神経毒性症候群(ICANS)、パーキンソン病およびギランバレー症候群とその関連合併症、長期または再発性血球減少症が記載されており、これらはすべて致死性または生命を脅かすおそれがある。Ciltacabtagene autoleucelに最もよくみられた副作用は、発熱、サイトカイン放出症候群、低ガンマグロブリン血症、筋骨格痛、疲労、感染症、下痢、悪心、脳症、頭痛、凝固障害、便秘、および嘔吐であった。

Ciltacabtagene autoleucelは、リスク評価および緩和対策を実施することを条件として承認されており、治療を行う病院やその関連クリニックがサイトカイン放出症候群(CRS)および神経系毒性を認識し管理するために特別に認可されている。長期的な安全性を評価するため、FDAは製造元に対し、Ciltacabtagene autoleucelで治療した患者を対象とした市販後観察研究を実施するよう求めている。

Ciltacabtagene autoleucelの推奨用量は、体重1kgあたり0.5~1.0×106個のCAR陽性生存T細胞であり、1回の点滴で最大1×108個のCAR陽性生存T細胞を投与することが可能である。

CARVYKTIの全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者原 久美子

監修喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)

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