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イブルチニブとFCR療法の併用で慢性リンパ性白血病(CLL)若年患者に長期寛解

若年患者の幅広い層で、一定期間の治療により非常に長期間の寛解が得られる可能性

慢性リンパ性白血病(CLL)の若年患者は、イブルチニブ(イムブルビカ)という薬剤で長期間の寛解を得ることができるが、寛解を維持するためには無期限に投与を続ける必要がある。ダナファーバーがん研究所の新たな研究により、イブルチニブと免疫化学療法を組み合わせた2年半の治療がこの病気に深く長期的な寛解をもたらす可能性が示された。

今回の結果は、2019年に論文発表された治療歴のないCLL患者85人を対象にした研究結果を更新するもので、第63回米国血液学会(ASH)年次総会で発表された。ほぼすべての患者が投与開始から16.5カ月時点で寛解していたが、更新された最新のデータにより、中央値40.3カ月時点でその効果が継続していることが確認された。

「低リスクのCLL患者(IGHV遺伝子変異陽性)は、FCR療法(化学療法薬フルダラビン+シクロホスファミド+抗体薬リツキシマブの併用)と呼ばれる治療を6カ月間受けることで長期寛解が得られる」と、米国血液学会で研究結果を発表したダナファーバーがん研究所のMatthew Davids医師(医科学修士)は述べている。しかし、高リスクの CLL患者(IGHV遺伝子変異陰性)においては通常、FCR療法では同様の持続的効果を得られない。一方でイブルチニブは高リスクの CLL 患者に非常に有効だが、生涯治療を続ける必要があり、特に若い患者とっては、服用にともなうリスクや副作用を考えると厳しい側面がある。

「本研究では、IGHV変異が陽性、陰性であるかどうかにかかわらず、CLL患者に対してFCR療法と併用でイブルチニブを一定期間投与することにより、持続的な寛解が得られるかどうかを検討しました」。

この試験は65歳以下のCLL患者85人を対象としており、そのうち46人は、より悪性度の高いCLLであることを示すIGHV変異陰性であった。患者には、イブルチニブ(CLL細胞が生存するために必要とする酵素を阻害する分子標的薬)を7日間投与し、その後イブルチニブとFCRの併用療法を最長6カ月間行った。 その後、さらに2年間イブルチニブ単独の投与を行い、追加の2年後に骨髄に検出可能な白血病細胞が見られなくなった患者は治療を中断した。

本研究では、追跡期間中央値40.3カ月で99%の患者が生存しており、97%の患者は病状が悪化していないことがわかった。この結果は追跡期間が16.5カ月であった前回の解析結果を基本的に維持している。

投与開始から2.5年以降にCLLが再発した少数の患者は、イブルチニブ投与の再開に対し良好な奏効を示した。

この併用療法の副作用はほぼ管理可能であり、イブルチニブ投与またはFCR療法をそれぞれ単独で行った際にみられる副作用と一致していた。

Davids医師は次のように述べる。「幅広い若年層CLL患者がこの療法によって長期的な寛解を得られる可能性に対し、われわれは非常に希望を持っています。特に若い患者には、これから数十年の人生が待っています。継続的な治療を必要とせず、一定期間の治療で効果の持続が期待できる治療法は、非常にインパクトのあるものです」。

翻訳担当者田代両平

監修吉原 哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

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