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イブルチニブ+ベネトクラクス併用治療により白血病(CLL)患者の寛解が持続

経口分子標的薬治療で3年全生存率96%を達成

イブルチニブ+ベネトクラクス(商品名:ベネクラクスタ)併用療法は、初発の慢性リンパ性白血病(CLL)患者における疾患寛解を持続させることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らによって証明された。JAMA Oncology誌に本日掲載されたこの単一施設第2相臨床試験結果は、本薬剤レジメン投与を受けた患者に対する追跡調査データとしては最長である。

主任研究者らはNitin Jain医師(白血病科准教授)、William Wierda医学博士(白血病科教授)、Varsha Gandhi博士(実験治療学臨時部長)である。

同センターの研究者らは過去に、高リスクかつ高齢のCLL患者に対するイブルチニブ+ベネトクラクス併用投与の有効性を示す試験結果を報告していた。今回の報告では、治療後の追跡調査2年延長データ、および骨髄微小残存病変陰性(U-MRD)に関する統計データを提示した。全体として、3年無増悪生存率は93%、3年全生存率は96%であった。奏効率は高リスクグループ患者の奏効率と同等であった。

「慢性リンパ性白血病(CLL)は米国で最も一般的な白血病であり、化学免疫療法が本来の治療法でした」とJain氏は述べる。「今回の長期間にわたる試験結果は、経口分子標的薬治療を2年間行うことで、CLL患者の疾患寛解が持続することを証明しています」。

研究者らは、治療歴がなかった患者80人を追跡調査した。患者の年齢中央値は65歳、うち30%が70歳以上であった。全体として、高リスクの遺伝子異常を有する患者は92%であった。全患者80人の追跡調査期間中央値は38.5カ月であった。試験参加者の内訳は、白人94%、その他4%、アメリカ先住民またはアラスカ先住民1%、不明1%であった。

イブルチニブ+ベネトクラクス併用療法の継続によりU-MRD(微小残存病変陰性)反応が改善した。併用治療12サイクル後に骨髄中U-MRDを達成した患者は56%、併用治療24サイクル後に骨髄中U-MRD寛解を達成した患者は66%であった。また、試験期間中いずれかの時点で骨髄中U-MRD寛解を達成した患者は合計75%であった。

「MRD(微小残存病変)は、白血病治療の最終段階において最も重要な予後判定マーカーの一つです」とJain氏は言う。「大半の患者が骨髄中MRD寛解を達成し、本試験でCLLの病勢進行がみられた患者はいませんでした」。

研究チームは、6カ月ごとの患者MRDモニタリングを継続する一方で、引き続き相関研究に取り組んでいる。本治療法は忍容性が高く、両薬剤の毒性プロファイルは他の臨床試験と一致しており、併用投与による追加の毒性は認められなかった。

BTK阻害剤+ベネトクラクスの併用療法について現在進行中の臨床試験としては、先日の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で試験結果が報告されたCAPTIVATE試験、英国におけるFLAIR試験、CLL17試験、欧州血液学会(EHA)バーチャル会議にて第3相試験結果が報告予定のCLL GLOW試験がある。これらの臨床試験などで得たデータから、本治療法の期間および役割が明確になるであろう。

「この治療法は、CLL患者が利用できる標準治療の一つになると思います」とJain氏は述べる。「各アプローチにはそれぞれ長所と短所があるため、どの治療オプションが各患者に最適であるのか、医師は判断しなければなりません」。

本試験は、MDアンダーソンがんセンターのMoon Shots Programの一環であるChronic Lymphocytic Leukemia (CLL) Moon Shotの支援を受けた。Moon Shots Programは、科学的発見から患者救命の臨床的進歩への展開を促進することを目的とした共同研究である。

追加の研究支援として、AbbVie、Andrew Sabin Family Foundation、CLL Global Research Foundationおよび米国国立がん研究所(P30CA016672)からの提供を受けた。

共同著者一覧ならびに著者の情報開示は論文に掲載されている。

翻訳佐藤美奈子

監修佐々木裕哉(白血病/MDアンダーソンがんセンター)

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