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新たな免疫チェックポイント標的薬の併用療法が、メラノーマの進行を大幅に遅らせる

【ASCOの見解】「免疫療法薬は、進行メラノーマ(悪性黒色腫)の患者さんの治療の見通しに大きな変化をもたらしてきました。今回の試験では、PD-1とLAG-3という異なるチェックポイントに作用する2つの免疫療法薬の併用が成功を収めたことから、他のチェックポイントを標的とする別の薬剤を併用するアプローチについて、さらに検討する必要性が出てきました」と、FACP(米国内科学会フェロー)、FASCO(米国臨床腫瘍学会フェロー)であり、ASCO副会長および最高医学責任者のJulie R. Gralow医師は述べる。

新たな研究では、異なるチェックポイントを阻害する2つの免疫療法の薬剤は、抗PD-1単剤療法と比較して、治療歴がなく切除不能または転移性メラノーマ患者の、病勢進行までの期間を延長することが明らかになった。本研究は、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表される。

【試験の概要】
主題:ニボルマブ(販売名:オプジーボ)とrelatlimab[レラトリマブ](新規のLAG-3阻害抗体)の併用により、切除不能または転移性メラノーマの進行を遅らせることができるかどうかを検討する。

対象:治療歴のない切除不能または転移性メラノーマ患者714人を、ニボルマブとレラトリマブの固定容量配合剤を投与する群、またはニボルマブを単独投与する群に、無作為に1対1で割り付けた。

結果
・病勢進行までの期間の中央値は、ニボルマブとレラトリマブの併用群が、ニボルマブ単独群より、10.1カ月対4.6カ月と有意に長かった。 1年後の無増悪生存率(PFS)は、ニボルマブとレラトリマブ併用群が47.7%であったのに対し、ニボルマブ単独群は36.0%であった。 

・ニボルマブとレラトリマブに関連する治療関連有害事象(TRAE)は、ほとんどの場合コントロール可能であり、免疫チェックポイント阻害薬で見られる典型的な安全性プロファイルを反映していた。グレード3~4の有害事象は、ニボルマブとレラトリマブの併用群(18.9%)が、ニボルマブ単独群(9.7%)に比べて多かった。治療に関連した死亡例は、ニボルマブとレラトリマブ併用群で3例、ニボルマブ単独群で2例であった。TRAEにより治療を中止した患者は、それぞれの群で14.6%、6.7%であった。

【主な知見】
免疫チェックポイント阻害薬による治療は、進行メラノーマ患者の治療に革命をもたらし、生存率を大幅に改善した。免疫チェックポイント阻害薬は、腫瘍微小環境に存在する、がん細胞や免疫細胞の表面に発現している特定のタンパク質間の相互作用を阻害することで、がん細胞が体内の免疫システムから逃れることを防ぐ。

これまで、免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせを評価した第3相試験としては、PD-1とCTLA-4の経路阻害による臨床効果を示したのみである。ニボルマブは、PD-1タンパク質に作用し、メラノーマや他のいくつかのがん種の治療にFDA承認されている。レラトリマブは、T細胞上のLAG-3に結合することで、T細胞の活性を回復させ、抗腫瘍効果を高める可能性がある初の薬剤である。

RELATIVITY-047試験は、治療歴がなく切除不能または転移性のメラノーマ患者を対象に、免疫療法薬であるニボルマブとレラトリマブを固定用量配合剤(FDC)で投与することを評価した、初めてのランダム化第3相試験である。

無増悪生存期間の中央値は、ニボルマブとレラトリマブの併用群で10.1カ月、ニボルマブ単独群で4.6カ月と、併用群で有意に延長した。1年後の無増悪生存率は、免疫療法併用群で47.7%、ニボルマブ単独群で36.0%であった。

ニボルマブとレラトリマブに関連した治療関連有害事象は、ほとんどの場合コントロール可能であり、免疫チェックポイント阻害薬に見られる典型的な安全性プロファイルを反映していた。グレード3~4の有害事象は、ニボルマブとレラトリマブの併用群(18.9%)が、ニボルマブ単独群(9.7%)に比べて多かった。治療に関連した死亡は、ニボルマブとレラトリマブの併用群で3人、ニボルマブ単独群で2人であった。治療関連有害事象により治療を中止した患者は、それぞれの群で14.6%と6.7%であった。

「私たちの結果は、ニボルマブとレラトリマブの併用療法が、治療歴がなく切除不能または転移性メラノーマの患者にとって新たな治療選択肢となる可能性を示しています。本試験は、がん患者の治療戦略としてLAG-3免疫チェックポイントの阻害について検証する初めての第3相試験です。今回の結果により、LAG-3経路は、CTLA-4、PD-1に続いて臨床効果のある歴史上第3の免疫チェックポイント経路として確立されました」と、筆頭著者であり、ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターおよびブルームバーグ・キンメルがん免疫療法研究所(ボルチモア)の腫瘍学准教授でもあるEvan J. Lipson医師は述べる。

【試験について】

RELATIVITY-047は、国際多施設共同二重盲検ランダム化第2/3相試験である。治療歴のない切除不能または転移性のメラノーマ患者714人を、ニボルマブとレラトリマブの固定容量配合剤を投与する群か、ニボルマブを単独投与する群のいずれかに1対1で無作為に割り付けた。ニボルマブは、進行したメラノーマの患者に対する標準治療として確立されている。

主要評価項目は、試験全参加者と、サブグループでの無増悪生存期間であった。副次的評価項目は、全生存期間(OS)と客観的奏効率(ORR)であった。

【次のステップ】

全生存期間(OS)と客観的奏効率(ORR)の結果が待たれる。

翻訳平沢沙枝

監修中村泰大(皮膚悪性腫瘍/埼玉医科大学 国際医療センター 皮膚腫瘍科皮膚科

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