[ 記事 ]

若年成人の急性白血病(AML)、予後分類と治療法により生存の改善が示唆

・急性骨髄性白血病(AML)患者の60~65%は長期生存に至らない。

・国際的なガイドラインでは、AML細胞における特定の遺伝子変異の有無に応じて、AMLに最も効果が高い治療法を決定している。

・本研究は、これらのガイドラインの改良と、若年成人AMLの治療の改善を目的とする。

若年成人の急性骨髄性白血病(AML)の予後および治療に関する重要な推奨事項一式が改訂される可能性があることが、オハイオ州立大学総合がんセンターのアーサー・G・ジェームズがん病院およびリチャード・J・ソロベ研究所(OSUCCC – James)の新規研究の結果で示唆された。

この後方視的研究では、2017年LeukemiaNet(ELN)推奨事項に基づく治療を受けたAML患者863人の分子的特徴と転帰を評価した。対象患者は 60 歳未満、年齢中央値 45 歳であった。

ELN推奨事項は、AMLやその他の白血病の患者の診断および管理を目的として国際的に使用されている。AMLは血液の腫瘍性疾患で、アメリカがん協会(ACS)によると、米国では年間約19,900人が罹患し、ほぼ11,200人が死亡する。60歳未満のAML患者が長期生存に至る割合はわずか35~40%であるとのことである。

学術誌Leukemia誌で発表された本研究は、以下の結果を示した。

・予後良好群の9%および予後中間群の53%は、予後不良群に再分類するべきである。

・予後良好群の4%および予後不良群の9%は、予後中間群に再分類するべきである。

「今回の知見の確証が得られれば、急性骨髄性白血病若年患者のELNリスク分類がさらに精緻化し、患者の治療選択肢と転帰が改善する可能性があります」と、筆頭著者であるAnn-Kathrin Eisfeld医師(OSUCCC – James白血病研究プログラム研究員)は述べている。

本研究において、Eisfeld氏らは2,354個の変異を検出し、これは患者1人当たり平均3個の割合である。

研究者らは、ELNリスク群の定義に現在使用されている変異および追加の変異、ならびに複数の「機能グループ」カテゴリーに分類される変異、すなわち、RAS経路変異、キナーゼおよびメチル化関連変異、ならびにスプライセオソーム、転写因子および腫瘍抑制因子をコードする遺伝子の変異について頻度を特定した。

彼らは、各ELNリスク群(予後良好群、予後中間群、予後不良群)における変異頻度を比較して、どの変異が転帰良好または転帰不良に関連しているかを調べ、それが2017年ELN分類の精緻化に役立つかもしれないと考えた。

主な知見は以下のとおりである。

・BCORまたはSETBP1変異陽性の非コア結合因子AMLの予後良好群患者と、IDH変異陽性の予後不良群患者の転帰は、予後中間群と同等であった。

・NPM1/WT1両変異を有する患者とZRSR2変異陽性患者の転帰は、予後不良群患者の転帰と類似していた。

・FLT3-ITD高アレル比は、NPM1変異の有無にかかわらず、予後中間ではなく、予後不良となった。

・DNMT3A変異がある場合、生存予後は非常に悪かった。

オハイオ州立大学は2014年にLeukemiaNetに加入している。

注:本研究論文は、上級著者であり今は亡きClara D. Bloomfield医師に捧げる。OSUCCC-James大学特別教授、オハイオ州立大学がん研究員兼務上級顧問、William Greenville Pace III がん研究寄付講座教授であったBloomfield氏は、論文完成を目前に突然亡くなった。彼女は、2017年ELN推奨事項の策定メンバーの一人であったが、その前にELNが出した2010年版にも共著者として参画していた。

本研究は、米国国立衛生研究所(NIH)の国立がん研究所(NCI)(CA180821 CA197734、CA180882、CA233338、CA196171、CA233180、CA189824、CA189850およびCA016058)、Coleman Leukemia Research Foundation、Pelotonia、American Society of Hematology Scholar Award、およびThe Ohio Supercomputer Centeのコンピューティングリソースから資金提供を受けた。

この研究に関わった他の研究者は以下のとおりである。Jessica Kohlschmidt, Alice Mims, Deedra Nicolet, Christopher J. Walker, James S. Blachly, Dimitrios Papaioannou, Albert de la Chapelle, John C. Byrd and Krzysztof Mrózek, The Ohio State University; Andrew J. Carroll, University of Alabama at Birmingham; Jonathan E. Kolitz, Monter Cancer Center, Zucker School of Medicine at Hofstra/Northwell; Bayard E. Powell, Wake Forest Baptist Comprehensive Cancer Center; and Richard M. Stone, Dana-Farber/Partners CancerCare.

翻訳山田登志子

監修北尾章人(腫瘍・血液内科/神戸大学大学院 医学研究科)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事