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個別化医療を前進させる遺伝子テストをFDAが認める

FDA NEWS
2005/8/22

今日、FDAは医者が一部の患者に個別化薬物治療の決定を助ける新しい血液検査の販売を認めた。Invader UGT1A1 Molecular Assayは、ある薬がどのように体内で分解され排除されるかに影響がある遺伝子内の変異を検出する。医師はこの検出した情報を使い個々の患者の適切な薬の用量を決め、有害な薬物反応を最小にする。「このテストは、DNAに基づくテストが個別化医療を提供する可能性を表している。」とFDAのCenter for Devices and Radiological Health の局長であるDaniel Schultz博士が述べた。「これらのテクノロジーは患者管理を著しく改善することができ、医師がどのように用量を個別化するかわかることにより、効果のないあるいは有害でさえある薬物治療の危険性を減らすことができる。」

Invader試験は、医師が個別化治療の決定のため医師が使う、増えつつある遺伝子テストのひとつに加わった。他には、抗うつ薬、抗精神病薬、ベータ受容体遮断薬、ある種の化学療法薬の投薬量の個別化に用いられるRoche AmpliChipや、ある抗レトロウイルス薬に抵抗性のあるウイルスをつくるヒト免疫不全ウイルスのゲノムの変異を検出するのに用いられるTRUGENE HIV-1 Genotypingキットなどがある。

Invader試験は、酵素UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼを生産するUGT1A1と呼ばれる遺伝子の変異を検出する。この酵素は、例えば結腸直腸癌治療において使われるイリノテカンなどの特定の薬の代謝に活性があり、UGT1A1遺伝子の変異は患者のイリノテカン分解能に影響し、薬の血中濃度の増加と副作用の危険が高くなる。他の患者にとって安全であるイリノテカンの用量は、特定のUGT1A1遺伝子変異患者にとって多すぎる可能性があり、ある種の副作用の起こる危険性もある。Invader試験については、イリノテカン治療を受けていた66人の患者で試験が行われ、あるタイプの遺伝子変異をもつ患者のイリノテカン毒性が起こる度合いは変異を持たない人より5倍も高い危険性があることが研究によって示された。

 

「個別化薬物治療への関心が高まるなかで、この検査のFDAの承認は、医師と患者にUGT1A1経路による体内からの代謝と排除される薬の適切な投薬量に関する重要な情報を提供する」 Center for Drug Evaluation and ResearchのFDAのOffice of Clinical Pharmacology and Biopharmaceuticsの局長であるLawrence Lesko医学博士は述べた。UGT1A1遺伝子型に関する情報は、薬剤適応の重要な部分であり、医療専門家らにどのようにイリノテカンのような薬物の用量を決定するかの助けとなる。」

 

Invader試験は、医師が個別治療のための補助的な検査であり、それは、医師の判断と臨床経験の代用にはなりえない。用量に影響を及ぼす他の重要な要因、例えば患者の肝機能(ヘモグロビンの代謝産物であるビリルビンのレベルなどで測定)、年齢、腎機能、併用薬なども考慮すべきである。

qqqTInvader UGT1A1 Molecular Assayはウィスコンシン州のマジソンにあるThird Wave Technologies社によって製造されている。

(HAJI 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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