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FDAが進行性腎臓癌の新薬を承認(Torisel)

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FOR IMMEDIATE RELEASE:2007年5月30日
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米国食品医薬品局(FDA)は本日、進行性腎臓癌の一種である腎細胞癌の治療薬としてTorisel〔トリセル〕(temsirolimus〔テムシロリムス〕)を承認した。Toriselが腎細胞癌患者の生存期間を延長するという臨床試験に基づいて、今回の承認に至った。この薬剤は細胞の生成、増殖、生存を制御するタンパク質である酵素の阻害剤である。

医薬品評価研究センター(CDER)の局長、Steven Galson(M.D., M.P.H.)氏は次のように述べている。「腎臓癌との戦いにおいて、われわれは大きな進歩を遂げた。Toriselは、この適応症に対して過去18ヶ月内に承認された3番目の薬剤であり、患者の生存期間を延長することが確認されている。」

 

Torisel以前では、2005年12月にNexavar[ネクサバール](sorafenib[ソラフェニブ])が承認されているが、その承認は、この薬剤が病勢進行を遅らせたことよる。2006年1月にはSutent[スーテント](sunitinib[スニチニブ])が持続的な奏効率および腫瘍径の縮小効果に基づいて迅速承認され、また後に腫瘍の増悪を遅らせることが示されている。

 

Toriselの安全性と有効性は626名の患者を3群に分けた臨床試験により示された。その3群とは、Torisel単独で投与された群、比較薬としてインターフェロンαが投与された群、そしてToriselとインターフェロンの両方が投与された群である。

 

Torisel単独投与された患者の群は全生存期間が有意に改善することが示された。Torisel単独の患者の全生存期間の中央値は10.9ヶ月で、それに対しインターフェロン単独の場合は7.3ヶ月だった。無増悪生存期間(病気が悪化しない期間)は、インターフェロン単独群3.1ヶ月だったのに対し、Torisel単独群は5.5ヶ月と向上した。Toriselとインターフェロンの併用群は、インターフェロン単独群と比べて全生存期間に有意な差はみられなかった。

 

Toriselを投与された患者において、30%以上の高頻度でみられた副作用は、皮疹、倦怠感、口のびらん、悪寒、浮腫、食欲不振であった。検査所見の異常の中で最も高頻度だったのは、高血糖値、血中の脂質や中性脂肪の上昇、肝臓や腎臓血液検査値の上昇、そして赤血球数、白血球数、血小板数の減少であった。

 

アメリカでは年間51,000名の人々が 腎細胞癌との診断を受ける。アメリカの成人に発症する腎臓癌の約85%は腎細胞癌である。

 

Toriselは、フィラデルフィアに拠点を置くWyeth Pharmaceuticals, Inc.社によって製造販売されている。

 

大國 義典 訳
瀬戸山 修 監修

 

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