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ペムブロリズマブが進行胃がんに対し有望な抗腫瘍効果を示す

ペムブロリズマブは、胃がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者において、依然として有望な臨床効果を認めていることが、スペイン、マドリードで開催されたESMO 2017(欧州臨床腫瘍学会)年次総会で発表されたKEYNOTE-059試験の最新の知見により示された。

 

これまでに報告された国際第2相試験である KEYNOTE-059試験(NCT02335411)の結果によると、胃がんまたはGEJがん患者における単剤療法および化学療法との併用のいずれにおいても、ペムブロリズマブは管理可能な安全性を有し、有望な抗腫瘍効果が示された。

 

今回のKEYNOTE-059試験の最新更新情報は、米国、ロサンゼルスのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)David Geffen医科大学医療血液学および腫瘍学部門のZev A. Wainberg氏がESMO2017にて発表した。

 

KEYNOTE-059試験では、再発または転移胃がん、GEJ腺がん患者を3コホートに登録した。腫瘍のPD-L1発現にかかわらず、患者259人をコホート1に25人をコホート2にそれぞれ割り付けた。コホート3には、PD-L1免疫組織化学染色22C3 pharmDx assayの複合発現スコア≥1%のPD-L1陽性腫瘍が確認された患者31人が登録された。

 

全コホートに対しペムブロリズマブ200mgを3週間ごとに最大2年間投与した。ペムブロリズマブの投与は次の通りに行った。コホート1では2種類以上の前治療を行った後に、コホート2では初回治療としてのシスプラチン+5-フルオロウラシル/カペシタビン(カペシタビンは日本のみ)との併用で、コホート3では初回治療としての単剤療法として投与した。

 

主要評価項目には、3コホートすべてにおける安全性、コホート1および3では、RECIST v1.1に従った盲検の独立中央評価による奏効率(ORR)を含めた。主な副次的評価項目は、コホート2のORR、RECIST v1.1に準拠した奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)とした。

 

追跡調査期間中央値は、それぞれコホート1では3カ月(範囲、2~25カ月)、コホート2では14カ月(範囲、2~24カ月)、コホート3では18カ月(範囲、2~21カ月)であった。

 

結果

 

コホート1全体では2種類以上の前治療を受けていたが、ペムブロリズマブによる確定されたORRは12%(95%信頼区間、8、17%)であった。コホート1の中でもPD-L1陽性腫瘍の患者ではORRは16%(95%信頼区間、11、23)に上昇し、PD-L1陰性腫瘍の患者では6%(95%信頼区間、3、13)であった。コホート1のPFS中央値は2.0カ月(95%信頼区間、2、2)、およびOSの中央値は6カ月(95%信頼区間、4、7)であった。

 

化学療法との併用でペムブロリズマブ投与を受けたコホート2全体での確定されたORRは60%(95%信頼区間、39、79)であった。コホート2の中でもPD-L1陽性腫瘍の患者では73%(95%信頼区間、45、92)、PD-L1陰性腫瘍の患者では38%(95%信頼区間、9、76)であった。コホート2のPFS中央値は7カ月(95%信頼区間、6、11)、OS中央値は14カ月(95%信頼区間、9、評価不能)であった。

 

PD-L1陽性腫瘍を有し、初回治療として単剤のペムブロリズマブ投与を受けていたコホート3の患者の確定されたORRは26%(95%信頼区間、12、45)であった。PFS中央値は3カ月(95%信頼区間CI、2、6)であり、OS中央値は未到達(95%信頼区間、9、21)であった。

 

グレード3~5の治療関連有害事象(TRAEs)の発生率は、それぞれ、コホート1で18%、コホート2で76%、コホート3で23%であった。TRAEsによる治療中断は、コホート1では患者の3%、コホート2では患者の12%で発生した。死亡に至ったTRAEsはコホート1の2人、コホート3の1人で発生した。

 

胃がんおよび胃食道接合部腺がんにおけるペムブロリズマブのFDA承認が待たれる

 

2種類以上の前治療を受けた再発または転移胃がん、GEJ腺がん患者に対するペムブロリズマブ治療に対して、米国食品医薬品局(FDA)は、2017年5月にKEYNOTE-059試験データに基づく生物製剤追加承認申請を受理した。FDAは2017年9月22日にその決定を発表すると予測される。

 

結論

 

著者らによると、これら最新の結果では、進行胃がん/GEJがん患者におけるペムブロリズマブ単剤投与または化学療法との併用投与において、管理可能な安全性および有望な抗腫瘍効果が示された。

 

この試験結果に対し、ベルギー、ルーヴェン大学消化器腫瘍学のEric Van Cutsem教授は次のように述べた。抗PD抗体は進行胃腺がんの管理において役割を持つことになるだろうが、PD-L1発現の役割を明確化し、予測バイオマーカーを開発し、早期治療や化学療法との併用における役割を明確化かつ確立し、最適な併用療法や逐次療法も確立しなければならない。

 

情報開示:

 

本試験は米国、ニュージャージー州のMerck & Co社の助成を受けた。

 

参考文献:

 

LBA28_PR – Wainberg ZA, et al. KEYNOTE-059 Update: Efficacy and Safety of Pembrolizumab Alone or in Combination With Chemotherapy in Patients With Advanced Gastric or Gastroesophageal (G/GEJ) cancer.

翻訳三浦恵子

監修中村能章(消化管悪性腫瘍/国立がん研究センター東病院 消化器内科)

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