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頭頚部癌、放射線治療前のドセタキセル投与で生存が延長

米国国立がん研究所(NCI) 臨床試験結果

Docetaxel (Taxotere®) Before Radiation Extends Survival in Patients with Head and Neck Cance
(2004/6/5)手術不能の頭頸部癌患者における第3相試験で、放射線治療前に投与されるドセタキセル(タキソテール)を含む多剤併用レジメンは、標準治療に比べ、約4ヶ月生存期間を延長し、副作用も少なかった。

 

要約
手術不能の頭頸部癌の患者での第III相試験において、docetaxel(Taxotere®)を含んだ多剤化学治療レジメンが放射線治療の前に施行されることで、標準治療と比べて副作用が少なく、患者の生存をおよそ4ヶ月延長することが示されました。

出典   2004年6月5日、ニューオリンズのAmerican Society of Clinical Oncology 年次総会より

背景
頭頸部癌は米国内の全ての癌の3%を占めます。  これらの癌の大部分は頭頚部の上皮組織にある扁平上皮細胞の中で始まります。大部分の頭頸部癌患者の最初の選択療法は手術と放射線治療、または放射線治療単独、あるいは進行した腫瘍を持つ患者に対し化学療法と放射線治療の併用が行われます。

抗癌剤を最初に投与することで、その後の治療の効果を改善するかもしれないと考えられた場合、しばしば患者は他治療の前に化学療法が施行されます。この方法は術前化学療法として知られています。しかしながら、手術不能頭頸部癌の患者に対しては、従来の試験では生存を延長する術前化学療法のレジメンは確認されていません。

試験
頚部リンパ節転移を有する手術不能の頭頸部癌の患者358人で試験が行われました。 患者は、シスプラチン+5フルオロウラシルを含む標準的な化学療法と、それと同じ化学療法+docetaxelの投与とに無作為に割り付けられました。化学療法の後で、両グループの患者は標準的な放射線治療も受けました。患者は、無作為に割り付けられ標準化学療法と製薬+シスプラチン+5フルオロウラシルを含む標準的な化学療法と、それと同じ化学療法+docetaxelの投与とに無作為に割り付けられました。

European Organization for Research and Treatment of Cancer が試験を行いました。 主任治験医師は、ベルギーのアントワープ大学のJan B. Vermorken博士でした。 (プロトコル概要参照)

結果
中央値32ヶ月の追跡の結果、標準のプラチナベースの化学療法を受けた患者の中央値14.5ヶ月の生存期間と比較し、docetaxelで治療を受けた患者は中央値18.6ヶ月の生存期間でした。さらに、病気が進行するまでの期間は標準治療患者の中央値8.4ヶ月と比べ、docetaxelグループの患者は中央値12.7ヶ月でした。 docetaxelグループの患者数のほうが標準治療グループの患者数よりも多く治療の効果が見られました。(67.8%対53.6%)。吐き気や、嘔吐や、口内炎(口の痛み)などの副作用がみられたのは、docetaxelの治療を受けた患者のほうが少数でした。さらに、化学療法の副作用から死に至った患者数もdocetaxelグループのほうが小数でした。

コメント
前に行われた進行性頭頸部癌患者での無作為試験で、化学療法と同時に放射線治療を行うのが最も効果的であると示唆しました。National Cancer Institute’s Cancer Therapy Evaluation ProgramのScott Saxman医師は記述しています。プラチナベースの化学療法と放射線にdocetaxelを加えるのが可能かどうか、恐らくもっと恩恵があるかどうか確認するために今後の研究が必要である、と彼は述べています。  

(HAJI 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)

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