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ペムブロリズマブにIDO経路阻害剤併用でメラノーマ奏効率が改善

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ペムブロリズマブにIDO経路阻害剤併用でメラノーマ奏効率が改善

米国がん学会(AACR) AACR2017

4月1~5日に開催された2017年米国がん学会(AACR)年次総会で発表された第1/2相臨床試験の中間結果によれば、進行メラノーマ(悪性黒色腫)患者に対して、FDAが承認した免疫療法薬ペムブロリズマブ[pembrolizumab](製品名:キイトルーダ)に免疫療法治験薬indoximodを併用投与した場合、ペムブロリズマブの単剤療法でこれまでに報告されている奏効率と比べて、治療効果が認められた患者の割合が増加した。

 

「KEYNOTE-006第3相臨床試験の試験結果に基づいて、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブは進行メラノーマ患者の初期治療としてFDAに承認されました。試験での全奏効率は33%であり、これは、33%の患者において部分的または完全な腫瘍の縮小が認められたことを意味します。私たちは、ペムブロリズマブにIDO経路阻害薬を併用することで、この奏効率をさらに改善できるか否かについて検討を開始しました」と、アイオワ大学(アイオワ市)内科助教であるYousef N. Zakharia医師は述べた。

 

「この臨床試験の第2相部分の中間結果が得られたことは大変喜ばしいことです。というのは、データから、ペムブロリズマブとIDO経路阻害薬indoximodを併用投与した患者の52%で部分奏効または完全奏効が得られ、重大な毒性は認められなかったことが明らかになったからです」と、アイオワ大学Holden Comprehensive Cancer Centerで実施された初期の臨床試験の共同リーダーでもあるZakharia医師は続けた。

 

「本試験で注目すべきは、眼のメラノーマを除外しなかったことで、同疾患はより悪性度が高く使用可能な全身療法にあまり効果が認められないことが明らかになったことです。同等の試験ではほとんどの場合、眼のメラノーマ患者は含まれていません。眼のメラノーマ患者(60人中9人)を含めないで試験結果を検討したところ、皮膚メラノーマおよび眼以外のメラノーマにおける奏効率は、実際に59%になります。信頼性の高いこれらのデータは大変期待できるものですが、さらに大規模なランダム化試験で臨床的有用性を確認する必要があります」と、Zakharia医師は付け加えた。

 

IDO経路の正常な機能は、例えば、妊娠女性の免疫系が胎児を攻撃しないように働くなど、免疫系を抑制して異常な反応を阻止することであるとZakharia医師は説明している。「しかしながら、IDO経路を乗っ取り、その経路を利用して免疫系が腫瘍を攻撃したり破壊したりすることを妨げてしまう腫瘍もあります。このことは、IDO経路が、がん免疫療法の良い標的となり得る可能性を示唆しているのです」とZakharia医師は述べた。

 

以前に報告された臨床試験の第1b相部分の結果から、indoximodとFDA承認のイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)免疫チェックポイント阻害薬を併用した場合、免疫チェックポイント阻害薬単独に比べて、忍容性が良好で毒性の増加も認められなかった。

 

臨床試験の第2相部分では、患者にindoximodとFDA承認免疫チェックポイント阻害薬の併用投与を行った。免疫チェックポイント阻害薬はイピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)のうちいずれかを担当医師が選択した。患者の多くは、indoximod(1200 mgを経口にて1日2回連日投与)とペムブロリズマブの併用投与を受けた。ペムブロリズマブは21日ごとに3 mg/kgの標準用量で点滴静注した。

 

現在報告されている新規データは、2017年1月のデータカットオフ時点で得られたものである。追跡期間中央値10.5カ月以降、60人の患者のうち完全奏効を示した患者は6人で部分奏効は25人であり、全奏効率は52%であった。主な有害事象は疲労、下痢、および悪心であった。

 

「本試験では患者の募集をまだ行っており、これまでに登録したすべての患者の経過観察を継続中です。この中間解析によれば、IDO経路阻害薬と標準的な免疫チェックポイント阻害薬を併用したメラノーマ患者数はこれまでで最大となります」とZakharia医師は述べた。

 

Zakharia医師によれば、この研究の主な限界は、試験に対照群を設けなかったことであり、今回得られた結果を確認するためには、大規模プラセボ対照ランダム化試験を実施する必要がある。

 

 

本研究は、NewLink Geneticsから資金提供を受けた。Zakharia医師は、NewLink Geneticsから学術会議への旅費の援助を受けている。

原文掲載日

翻訳青山真佐枝

監修辻村信一(獣医師・農学博士、メディカルライター/メディア総合研究所)

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