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NelarabineのFDA承認

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NelarabineのFDA承認

原文 2011/01/11掲載  2013/07/03更新

商標名:Arranon®注射剤

・T細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)T細胞およびリンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)に対して承認(2005/10/28)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2005年10月28日、FDAはプリン・ヌクレオシド代謝拮抗剤であるnelarabine(Arranon®注射用、グラクソスミスクライン社)を少なくとも2種類の化学療法に反応しなかった、あるいは2種類の化学療法後に再発したT細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)の患者とT細胞リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)の患者に対する治療に対し迅速承認を与えました。

この適用は、完全奏効の導入を基にしています。生存率の上昇またはその他の臨床上の有用性を確立する臨床試験は実施されていません。

NelarabineのFDA申請は、2種類の多施設、オープンラベル、シングル・アーム試験から構成されており、一つは小児患者(初期診断を受けた年齢が21歳または21歳以下の患者)を対象とした試験でChildren’s Oncology Group(COG)により実施されました。もう一つは、成人患者を対象とした試験でCancer and Leukemia Group B(CALGB)とSouthwest Oncology Groupにより実施されました。

試験に適格な患者は、Kamofsky Performance Status(KPS)が50以上で十分な腎・肝機能を有する人々でした。被験者は、本剤投与以前に受けた全ての化学治療の毒性から回復していなければなりません。少なくとも、ニトロソウレア投与後、あるいは頭蓋脊椎または片側骨盤の放射線療法後6週間の経過期間を置かなければなりません。妊娠中または授乳中の女性と、本剤投与前の状態がグレード2以上の神経毒症状を伴う患者は試験から除外されました。申請時に記載された初期試験のエンドポイントは、完全奏効率(CR)と不完全な血液学的回復を伴う完全奏効率(CR*)でした。

小児試験の患者はnelarabine 650mg/m2を静注で1日1時間で5日間の連続投与を21日ごとに受けました。成人患者は、nelarabine 1,500 mg/m2 を静注で2時間以上の投与を1日目、3日目、5日目に、21日ごとに受けました。投与量は、双方のグループにおいて非血液毒性または血液毒性に対し減量されました。骨髄提供者出現の可能性やその他の考慮すべき事項等が生じた場合、患者は血液幹細胞移植(HSCT)を受けるため試験から離脱することがありました。

小児の有効性評価集団は、2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であった39例から構成されました。補助有効性評価集団は、以前に受けた1種類の導入療法に対して再発または難治性であった31例から構成されました。

双方の試験集団の中間年齢は、約11.5歳でした。試験患者のほとんどは、KPSが80かそれ以上の白人男性でした。患者のほとんどは、T-ALL患者でした。

2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であった患者の完全奏効は、5例(13%)で観察され、CR+CR*は9例(23パーセント)で観察されました。T-ALLとT-LBL両方の患者でCRまたはCR*が得られました。

幹細胞移植は、2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であったCRまたはCR* 9例中4例(44%)で施行され、1例でnelarabineによる寛解中に全身療法を受けました。

移植施行がなく追加治療を受けなかった患者の寛解期間は9.3週、6.1週、3.6週、と3.3週でした。

成人有効性評価集団は、2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であった28例から構成されました。補助有効性評価集団は、1種類だけの導入療法を以前に受けた11例から構成されました。

双方のグループの平均年齢は、約30歳で16歳から66歳の範囲でした。試験患者のほとんどは、KPSが80かそれ以上の白人男性でした。双方の患者のほとんどは、T-ALL患者でした。

2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であった患者のCRとCR+CR*率は、それぞれ18%と21%でした。T-ALLとT-LBL患者の両方でCRまたはCR*が得られました。

幹細胞移植は、2種類または2種類以上の導入療法に対して再発または難治性であった患者のCRまたはCR* 6例中1例で施行されました。移植施行がなかった患者の寛解期間は、195週+、30週、19週、15週と4週でした。

主なnelarabineの毒性は、血液毒性、発熱、好中球減少、易感染性好中球減少、トランスアミナーゼ上昇を含む臨床検査値異常、消化管毒性、疲労と衰弱等でした。

小児患者と成人患者の両方での用量規定の毒性は、神経毒性でした。神経系有害事象は、頭痛、傾眠、感覚鈍麻、感覚・運動神経障害、発作、知覚異常、振戦と運動失調等でした。1例でてんかん重積発作(発作)が観察されました。外見がギラン・バレー症候群と類似する脱髄と感覚末梢神経障害に関する事象の報告がありました。

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湖月みき 訳
林 正樹(血液・腫瘍科) 監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。
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