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FDAが脂肪肉腫および平滑筋肉腫の治療にトラベクテジンを承認

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FDAが脂肪肉腫および平滑筋肉腫の治療にトラベクテジンを承認

FDA(米国食品医薬品局)

速報

 

米国食品医薬品局(FDA)は本日、外科手術による切除が不可能または進行した特定の軟部肉腫(脂肪肉腫および平滑筋肉腫)を治療する化学療法として、トラベクテジン(商品名:ヨンデリス) を承認した。本治療法は、アントラサイクリンを含む化学療法の治療歴のある患者に対して承認された。

 

米国国立がん研究所(NCI)によれば、軟部肉腫は筋肉、腱、脂肪、血管、リンパ管、神経、関節周辺の組織など身体の軟部組織にがん細胞が形成される病気である。脂肪肉腫および平滑筋肉腫は特定の種類の軟部肉腫であり、脂肪細胞または平滑筋細胞に生じる。軟部肉腫は身体のほぼあらゆる部分に形成されるが、通常、頭部、頚部、腕、脚、体幹、腹部に形成される場合が最も多い。2014年に米国では推定12、000人が軟部肉腫と診断された。

 

「進行または転移した軟部肉腫の治療は、患者に使用できる効果的な治療選択がほとんどなく、困難な課題となっています」とFDA医薬品評価研究センターの血液学・腫瘍製品室長Richard Pazdur医師は述べた。「本日承認を受けたトラベクテジンは進行または転移した脂肪肉腫および平滑筋肉腫に治療選択肢を提供します」。

 

トラベクテジンの有効性と安全性は、転移または再発した平滑筋肉腫あるいは脂肪肉腫がみられる臨床試験参加者518人により証明された。参加者はトラベクテジン(345人)、もう一つの化学療法薬であるダカルバジン(173人)のいずれかに無作為に割り当てられた。

 

トラベクテジンによる治療を受けた参加者には、腫瘍増殖の遅延(無憎悪生存)がみられ、増殖したのは平均して治療開始後4.2カ月であったのに対し、ダカルバジンに割り当てられた参加者では、病気が進行したのは平均して治療開始後1.5カ月であった。

 

トラベクテジンの治療を受けた参加者に最も多くみられた副作用は、吐き気、疲労、嘔吐、下痢、便秘、食欲減退、息切れ(呼吸困難)、頭痛、組織腫脹(末梢浮腫)、感染と戦う白血球の減少(好中球減少)、血小板数の減少(血小板減少症)、赤血球数の減少(貧血)、肝酵素の上昇および血中タンパク質のアルブミンの減少であった。

 

トラベクテジンには、重篤で致命的な血液感染(好中球減少性敗血症)、筋組織の破壊(横紋筋融解症)、肝障害(肝毒性)、静脈またはカテーテル周辺の漏れ (血管外漏出)、組織壊死(破壊)および心不全(心筋症)の危険性に対する注意を医療提供者に呼びかける警告がある。がん治療に使用される薬剤のトラベクテジンに過敏であることがわかっている患者は、トラベクテジンの治療を受けるべきではない。

 

医療提供者はまた、トラベクテジンによる治療中に発育中の胎児へのリスクがある可能性を女性に伝えることが奨励されている。トラベクテジンの治療を受けている女性は授乳すべきではない。

 

トラベクテジンは、ニュージャージー州ラリタンのJanssen Products社により販売されている。

 

連邦政府保健福祉省内の機関であるFDAは、公衆衛生の保護を目的として、医薬品、動物用医薬品、ワクチンおよび他の生物製剤ならびに医療機器の安全性と有効性の確保に努めている。FDAは、米国の食糧供給の確保や食品安全、化粧品、栄養補助食品、電磁波を放出する製品の安全性を保証し、タバコ製品を規制する責務も担っている。

原文掲載日

翻訳松長えみ

監修遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/国立がん研究センター中央病院)

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