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FDAが転移性メラノーマの一次治療にペムブロリズマブを承認

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FDAが転移性メラノーマの一次治療にペムブロリズマブを承認

FDA(米国食品医薬品局)

Oncology  Approved Drugs

 

米国食品医薬品局(FDA)は12月18日、pembrolizumab[ペムブロリズマブ](商品名:Keytruda[キートルーダ]注射剤、Merck Sharp & Dohme Corp.)の適応を、切除不能または転移性のメラノーマ(悪性黒色腫)患者の治療にも拡大することを承認した。今回の適応拡大で、切除不能または転移性のメラノーマ患者への初回治療が含まれることになる。

 

ペンブロリズマブは、切除不能または転移性のメラノーマで、イピリムマブ治療後、およびBRAF V600変異陽性の場合でBRAF阻害剤での治療後に病勢が進行した患者において、臨床的に有意な永続性のある客観的奏効率が認められ、2014年に迅速承認を受けた。以下の2件の臨床試験は、ペムブロリズマブの臨床的有用性を立証している。

 

第一の試験には834人が登録され、切除不能または転移性のメラノーマで、イピリムマブの投与歴がない患者、および以前に全身治療を1回のみ受けた患者が対象であった。患者は、ペムブロリズマブ10 mg/kgを隔週または3週ごとに静注する、あるいはイピリムマブ3 mg/kgを3週ごと最大4回まで静注する群に無作為に割り付けられた(1:1:1)。ペムブロリズマブ投与群の患者には病勢が進行する(PD)まで治療を継続した。試験は盲検下で独立第三者評価機関(BICR)によりRECISTガイドライン(固形がんの治療判定のための新ガイドライン)1.1版に従って評価され、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の複数の主要評価項目を達成した。ペムブロリズマブ10 mg/kg隔週投与群および3週ごと投与群では、イピリムマブ群よりも統計学的に有意な全生存期間の改善を認め、それぞれのハザード比(HR)は0.63(95% CI:0.47-0.83;p<0.001)および0.69(95% CI:0.52-0.90 CI:p=0.004)であった。全生存期間中央値には、ペムブロリズマブ両群ともに未到達である。

 

ペムブロリズマブ10 mg/kg隔週投与群、および3週ごと投与群では、イピリムマブ群よりも統計学的に有意な無増悪生存期間の改善を認め、それぞれのハザード比(HR)は0.58(95% CI:0.46-0.72;p<0.001)および0.58(95% CI:0.47-0.72;p<0.001)であった。

 

無増悪生存期間中央値は、ペムブロリズマブ10 mg/kg隔週投与群で5.5カ月、3週ごと投与群で4.1カ月、イピリムマブ投与群では2.8カ月であった。奏効率は、ペムブロリズマブ10 mg/kg隔週投与群で34%、3週ごと投与群で33%、イピリムマブ投与群で12%であった。奏効期間中央値にはいずれの群も到達していない。

 

第二の試験には、切除不能または転移性のメラノーマで、初回イピリムマブ投与に対して難治性か、またはBRAF V600変異陽性の場合でBRAF阻害剤に対し抵抗性があった540人の患者が登録された。患者はペムブロリズマブ2 mg/kgまたは10 mg/kgの3週ごとの投与、または試験責任医師が選択した化学療法群に無作為に割り付けられた(1:1:1)。試験責任医師が選択した化学療法群で化学療法を受けて病勢の進行があった155人の患者のうち(独立評価機関により確認)、55%に対して進行後にペムブロリズマブを投与した。複数の主要評価項目はRECIST 1.1版に従った独立評価機関による無増悪生存期間および全生存期間であった。試験では、ペムブロリズマブ2 mg/kg群(ハザード比0.57、95% CI:0.45-0.73;p<0.001)および10 mg/kg群(ハザード比0.50、95% CI:0.39-0.64;p<0.001)が、独立評価機関による評価の無増悪生存期間において化学療法群よりも統計学的に有意な改善を認めた。全生存期間の中間解析では、ペムブロリズマブ両群と化学療法群との間には統計学的な有意差はみられなかった。

 

安全性については、切除不能または転移性のメラノーマで、ペムブロリズマブ2 mg/kgの3週ごとの投与、あるいは10 mg/kgを隔週または3週ごとに投与された1567人の成績が評価された。ペムブロリズマブで最も重大なリスクは免疫介在性の副作用(imAR)であり、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎などである。そのほかの臨床的に重要な免疫介在性の副作用には、関節炎、剥脱性皮膚炎、水疱性類天疱瘡、ぶどう膜炎、筋炎、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、脈管炎、膵炎、溶血性貧血、脳実質内の炎症巣による部分的痙攣などがある。発現頻度の高い有害事象には、疲労、そう痒、発疹、便秘、悪心、下痢、食欲低下などがある。

 

第2番目の試験でのペムブロリズマブ2 mg/kgの3週ごとの投与および10 mg/kgの3週ごとの投与の用量‐反応解析で、有効性および安全性とペムブロリズマブ暴露量との間に関連性はみられなかった。

 

ペムブロリズマブの推奨用法・用量は、2 mg/kgで病勢の進行または認容できない毒性が生じるまで3週ごとに静脈内に点滴投与する。

 

本申請には優先審査が適用された。今回の適応症でのペムブロリズマブ開発プログラムは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)および画期的治療薬に指定されている。

 

これらの迅速承認プログラムについては、下記に記載されている。

(http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf)

 

全処方情報は下記を参照のこと。

(http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2015/125514s004s006lbl.pdf)

 

医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象が認められた場合、医療従事者はいずれももれなくFDAのMedWatch報告システムに報告すること。FDAのウェブサイト(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)を参照し、オンラインフォームに記入するか、記入したフォームをファックス(1-800-FDA-0178)または郵送料前納済みの住所が記載された書式をダウンロードして郵送、または電話(1-800-FDA-1088)によって報告すること。

原文掲載日

翻訳白石里香

監修辻村信一(獣医学・農学博士、メディカルライター/メディア総合研究所)

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