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イピリムマブのFDA承認

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イピリムマブのFDA承認

原文 2011/04/07掲載 2013/07/03更新

商標名:Yervoy™

・切除不能、または転移性のメラノーマ(黒色腫)に対する承認(2011/3/25)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2011年3月25日、米国食品医薬品局 (FDA) は、イピリムマブ注射剤(Yervoy、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社製)について、切除不能または転移性メラノーマの治療薬として承認しました。

今回の承認は、メラノーマに対し過去に全身療法を1回以上受けた切除不能または転移性メラノーマの患者を対象としたランダム化(3:1:1)二重盲検ダブルダミー臨床試験(試験番号:MDX010-20)に基づくものです。本試験では、全生存期間(OS)を主要評価項目とし、また無進行生存期間および最良の全奏効率についても評価しました。

本試験では、HLA-A2*0201陽性の遺伝子型を有する患者676人を登録しました。HLA-A2*0201遺伝子型を持っていると、試験中の腫瘍ワクチンの免疫提示が促進されました。患者については、イピリムマブ(3 mg/kg静注)+腫瘍ワクチン投与群(n=403)、イピリムマブ+プラセボワクチン投与群(n=137)、プラセボ+腫瘍ワクチン投与群(n=136)のいずれかに無作為に割り付けました。なお、活動性自己免疫疾患患者および臓器移植により免疫抑制剤の全身投与を受けている患者は、本試験より除外しました。

患者の年齢の中央値は57歳でした。患者の29%が65歳以上でした。患者の過半数は男性であり、M1cステージの患者が71%、脳転移の治療歴がある患者は12%、ECOGによる全身状態が0または1の患者が98%、さらにaldesleukin(IL-2)による治療歴がある患者は23%でした。

OSについては、プラセボ+腫瘍ワクチン群と比較し、イピリムマブ+プラセボワクチン群のほうが長い結果でした[HR 0.66(95%CI:0.51-0.87)、p=0.0026]。OSの中央値は、イピリムマブ+プラセボワクチン群で10カ月、プラセボ+腫瘍ワクチン群で6カ月でした。本試験ではまた、プラセボ+腫瘍ワクチン群と比較し、イピリムマブ+腫瘍ワクチン群のOSに統計学的に有意な改善が示されました[HR 0.68(95%CI:0.55-0.85)、p=0.0004、ログランク検定)]。イピリムマブ+腫瘍ワクチン群のOSの中央値が10カ月であったのに対し、プラセボ+腫瘍ワクチン群では6カ月でした。また、イピリムマブ+プラセボワクチン群では、(治験責任医師による評価で)最良の全奏効率10.9%(95%CI:6.3-17.4)を示しました。なお、イピリムマブ+腫瘍ワクチン群の全奏効率は5.7%(95%CI:3.7-8.4)、プラセボ+腫瘍ワクチン群の全奏効率は1.5%(95%CI:0.2-5.2)でした。

安全性データについては、プラセボワクチンまたは腫瘍ワクチンと併用してイピリムマブ投与を終了した患者511人で評価しました。主な(発現率5%以上の)有害事象には、T細胞の活性化および増殖を誘発する本剤の免疫学的作用機序による症状が見られました。これら免疫介在性有害反応には、下痢、そう痒症、発疹および大腸炎などがありました。また、最も重篤な有害事象も免疫介在性でした。患者の10%では、有害事象の発現によりイピリムマブの投与を中止しました。イピリムマブを投与した患者の13%では、重度の免疫介在性有害反応の発現が認められました。このうち最も多く認められたのは、大腸、肝臓、皮膚、内分泌系および神経系に関連する事象でした。免疫介在性の有害事象の管理では、イピリムマブの投与中止、高用量のコルチコステロイド剤投与などを行います。

イピリムマブの推奨用法・用量は、1回3 mg/kgを3週間毎に全4回点滴静注します。

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菅原宣志 訳
金田澄子(薬学)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

 

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