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エリブリンを用いた治療で軟部肉腫患者の全生存期間が延長

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エリブリンを用いた治療で軟部肉腫患者の全生存期間が延長

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エリブリン(ハラヴェン)が、治療歴のある進行性軟部肉腫患者の全生存期間を延長する可能性がある。これらの知見は2015年度米国臨床腫瘍学会年次総会(5月29日~6月2日イリノイ州シカゴ)で発表され、Journal of Clinical Oncology誌で公表された。[1]

 

軟部肉腫は、骨、筋肉、腱、靱帯、脂肪、血管、線維組織などの結合組織および支持組織を侵すがんである。肉腫は比較的稀少な疾患であるが、小児期および青年期に発症する傾向にある。

 

エリブリンは、海綿から抽出した、細胞分裂に影響を及ぼす化学療法薬である。2010年11月、乳がん治療用に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、現在、乳がん以外のがんに関して研究が行われている。

 

過去に実施された第2相臨床試験では、エリブリンが進行性軟部肉腫、特に平滑筋肉腫および脂肪肉腫という侵襲性の強い軟部肉腫患者に有効である見込みが示された。これらの知見に基づき、研究者らは化学療法薬ダカルバジンとの比較によるエリブリンの第3相臨床試験を実施した。[2]

 

エリブリンの第3相臨床試験は、進行性平滑筋肉腫または脂肪肉腫患者452人を対象として実施された。患者は全員、手術または放射線療法が奏効しない病態であった。彼らは少なくとも2回の化学療法治療歴があった。

 

患者はエリブリン(228人)またはダカルバジン(224人)のいずれかを21日ごとに、疾患増悪の徴候が出るまで投与された。研究者らは、2つの治療群間で全生存期間ならびに無増悪生存期間および安全性を比較した。

 

エリブリン群患者の全生存期間中央値は13.5カ月であり、ダカルバジン群患者の11.5カ月より長かった。無増悪生存期間は両群とも同じで、2.6カ月であった。

 

副作用が発現したために投与量を減量しなければならなかった患者は、エリブリン投与群の方が、ダカルバジン投与群よりも多く、それぞれ26%、14%であった。さらに、副作用のために治療中止を余儀なくされた患者はエリブリン群の方が多く、各群でそれぞれ8%、5%であった。副作用はエリブリン群で頻度が高く、好中球減少症(白血球の一種である好中球の減少)、発熱、神経障害(疼痛、しびれ感、ピリピリ感、腫脹あるいは筋力低下)、または脱毛などがみられた。ダカルバジンを投与された患者の方が頻度の高かった副作用は血小板減少症(血小板数の減少)で、ダカルバジン群が28%であったのに対し、エリブリン群は6%であった。研究者らによると、エリブリンの安全性に関する今回の知見は、先行研究結果から予測されていた。

 

エリブリンは、治療歴のある平滑筋肉腫または脂肪肉腫という進行性軟部肉腫患者の全生存期間を改善すると思われる。エリブリンの開発企業エーザイは現在、2010年の乳がんでの承認に続き、軟部肉腫でも承認を申請する予定である。

 

参考文献:
[1] Schöffski P, Maki RG, Italiano A, et al. Randomized, open-label, multicenter, phase III study of eribulin versus dacarbazine in patients (pts) with leiomyosarcoma (LMS) and adipocytic sarcoma (ADI). Journal of Clinical Oncology. 33, 2015 (supplement; abstract LBA10502).[2] Activity of eribulin mesylate in patients with soft-tissue sarcoma: a phase 2 study in four independent histological subtypes. Schöffski P, Ray-Coquard, IL, Cioffi A, et al. Lancet Oncology [early online publication]. September 21, 2011.

 


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原文掲載日

翻訳太田奈津美

監修遠藤 誠(骨軟部腫瘍科/国立がん研究センター中央病院)

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