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PegaspargaseのFDA承認

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PegaspargaseのFDA承認

原文 2006/07/24掲載 2013/07/03更新

商標名:Oncaspar®

・急性リンパ芽球性白血病に対し承認(2006/07/24)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2006年7月24日、FDAは急性リンパ芽球性白血病(ALL)のファーストライン治療である多剤併用化学療法レジメンに使われる薬剤としてpegaspargase(商標Oncaspar、製造元Enzon Pharmaceuticals, Inc社)を承認しました。pegaspargaseが以前承認されたのは1994年2月、天然型であるL-アスパラギナーゼに過敏症を示したALL患者の治療に対してでした。

アスパラギナーゼは、血清中アスパラギンを枯渇させることで選択的抗白血病作用を示します。天然型大腸菌由来L-アスパラギナーゼを含むレジメンで治療を受けた患者とpegaspargaseを含むレジメンで治療を受けた患者で、血清中アスパラギン濃度の低下を保つ効果が同等であったことから今回の承認されることになりました。Pegaspargaseは半減期が長いため、1回の投与で天然型大腸菌由来アスパラギナーゼを6回から9回投与した時と同等の抗白血病作用が得られました。

今回新たな適応のために非盲検ランダム化多施設試験(Children’s Oncology Group Study 1962)(原文)が実施され、未治療かつ標準リスクのALL小児患者(1歳~9歳)118人が登録されました。治療期間は4週間の寛解導入期(以下IP期)1回および8週間の後期強化療法期(以下DI期)2回としました。

いずれの患者も多剤化学療法レジメンを受けました。IP期にはシトシンアラビノシド髄腔内投与およびビンクリスチン、プレドニゾン、メトトレキサート、天然型大腸菌由来アスパラギナーゼ(またはpegaspargase)の全身投与、DI期にはメトトレキサート髄腔内投与およびメルカプトプリン、天然型大腸菌由来アスパラギナーゼ(またはpegaspargase)の全身投与を行いました。

Pegaspargaseは、4週間のIP期と8週間2回のDI期におけるそれぞれ3日目に2,500 IU/m2を筋肉内投与されました。天然型大腸菌由来L-アスパラギナーゼは、IPで週3回計9回、各DI期で6回、6,000 IU/m2を筋肉内投与でした。

両試験群の主な予後因子はほとんどが類似していましたが、pegaspargase投与群に比べて天然型大腸菌由来アスパラギナーゼ投与群で1歳~2歳の乳幼児が占める割合(pegaspargase群の19%に対して34%)、血小板数が50,000細胞/μL未満の患者の割合(pegaspargase群の34%に対して51%)、および診断の確定しない中枢神経系浸潤患者の割合(pegaspargase群の7%に対して15%)が高くなりました。

本試験より、いずれの治療期でも複数の時点での平均アスパラギン濃度は両群で類似していることが分かりました。さらに、全患者のイベントフリー生存期間(無作為割り付け時から死亡、導入療法の失敗、部位を特定しない再発、癌の新たな治療までの期間)を評価したところ追跡期間中央値3.2年の時点で、両群ともに3年イベントフリー生存率は約80%でした。

致死的なものも含めてpegaspargaseのもっとも重篤な毒性はアナフィラキシー、その他の重篤なアレルギー反応、血栓症(矢状洞血栓症を含む)、膵炎、グルコース不耐性、凝固障害でした。

もっとも頻度の高い有害事象は、アレルギー反応(アナフィラキシーを含む)、高血糖、膵炎、中枢神経系に生じる血栓症、固障害、高ビリルビン血症、トランスアミナーゼ値の上昇でした。

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South 訳
林 正樹(血液・腫瘍科)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。
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