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FDAが17p欠失の慢性リンパ性白血病(CLL)の治療にイブルチニブの適応拡大を承認

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FDAが17p欠失の慢性リンパ性白血病(CLL)の治療にイブルチニブの適応拡大を承認

米国食品医薬品局(FDA)ニュース

速報

新たな臨床データがCLLを適応症とする同薬剤の正式承認を支持

米国食品医薬品局(FDA)は本日、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する標準治療の奏効が不良であるとされている17番染色体欠失(17p欠失)のあるCLL患者を対象とする治療薬としてイブルチニブ[ibrutinib](Imbruvica)の適応拡大を承認した。また、イブルチニブは、17p欠失のCLLを適応症とする画期的治療薬指定を受けた。

 

FDAはまた、CLL治療におけるイブルチニブの臨床的有効性が確認されたことを反映するよう、添付文書の改定を認める方向である。2014年2月、イブルチニブはCLL治療に対し全奏効率に基づいて迅速承認を受けている。今回、無増悪生存期間および全生存期間について検討した新たな臨床試験の結果により、同薬剤の臨床的有効性が確認された。

 

非ホジキンリンパ腫の一種であるCLLは、まれな血液および骨髄の癌であり、通常その進行は遅く、Bリンパ球(B細胞)と呼ばれる白血球が緩徐に増殖する。米国国立癌研究所(NCI)は、米国では2014年に15,720人がCLLと診断され、4,600人が死亡すると推測している。イブルチニブは、癌細胞の増殖や分裂に必要な酵素を阻害することでその効果を発揮する。

 

「われわれは引き続き、慢性リンパ性白血病、とりわけ難治性の患者群に対する治療の機会拡大に注目しています」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は語っている。「イブルチニブはCLL治療薬として画期的治療薬指定を受けた4番目の治療薬です。これは画期的治療薬指定プログラムの公約を反映したものであるとともに、このような重要な新薬の開発、審査および承認を迅速に行うために企業と協力していくとするFDAの取り組みを表しています」。

 

画期的治療薬指定を受けているCLL治療薬として、2013年11月にオビヌツズマブ[obinutuzumab](Gazyva)、2014年4月にオファツムマブ[ofatumumab](Arzerra)、2014年7月にイデラリシブ[idelalisib](Zydelig)が、すでに承認されている。イブルチニブはCLLの治療に対する迅速承認申請時には、画期的治療薬指定を受けていなかった。

 

本日のイブルチニブの承認は、前治療歴のある患者391人(うち127人が17p欠失のCLL患者)を対象にした臨床試験に基づくものである。試験参加者391人をイブルチニブ投与群とオファツムマブ投与群に無作為に割り付け、病勢の悪化または忍容できない副作用が認められるまで投与した。

 

試験は、あらかじめ予定されていた中間解析でイブルチニブの有効性が示されたため早期中止された。イブルチニブ投与群ではオファツムマブ投与群に比べ、病勢進行または死亡のリスクが78%低かった(無増悪生存期間)。また、イブルチニブ投与群では死亡のリスクが57%低かった(全生存期間)。17p欠失のあるCLL患者127人に限定すれば、イブルチニブ投与群ではオファツムマブ投与群に比べ、病勢進行または死亡のリスクが75%低かった。

 

本臨床試験で認められたイブルチニブに関連する主な副作用は、血小板減少症、好中球減少症、下痢、貧血、疲労、筋骨格痛、上気道感染、発疹、悪心、発熱などであった。

 

イブルチニブの新たな適応については、FDAが当初、同薬剤の新たな適応に関する迅速審査を終える日として処方箋薬ユーザーフィー法(prescription drug user fee)に基づく期限としていた2014年10月7日よりも2カ月以上早く承認される運びとなった。FDAは優先審査制度の下で、イブルチニブの新たな適応を審査した。この制度では、重篤な病状の治療を目的とし、承認された場合は既存薬に比し有意な改善をもたらす可能性がある薬剤の迅速審査が可能になる。

 

イブルチニブはすでに2013年11月、前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫患者に対する治療薬として迅速承認を受けている。同疾患を適応症とするイブルチニブの臨床的有効性を検証するための臨床試験は現在も進行中である。

 

イブルチニブは、カリフォルニア州サニーベールに本拠を置くPharmacyclics社とペンシルバニア州ホーシャムに本拠を置くJanssen Biotech社が共同販売している。

原文掲載日

翻訳谷口 淳

監修林 正樹(社会医療法人敬愛会中頭病院 血液・腫瘍内科)

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