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ボスチニブのFDA承認

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ボスチニブのFDA承認

商品名 :Bosulif

・フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病に対して承認(2012/09/04)

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用、および禁忌などの全処方情報がFull prescribing informationで参照できます。

2012年9月4日、米国食品薬品衛生局は、前治療に抵抗性を示すか、または忍容性のない慢性期、移行期、または急性転化期のフィラデルフィア染色体陽性(Ph+) 慢性骨髄性白血病 (CML)の成人患者の治療薬として、ボスチニブ錠(ボスリフ、ファイザー社製造)を承認しました。

本承認は、1種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の前治療歴(イマニチブのみ投与、またはイマニチブ治療後、ダサチニブとニロチニブのいずれか、あるいは両方を投与)を有する、慢性期(CP)、移行期(AP)、または急性転化期(BP)のCML患者546人が登録した、単一群、非盲検、多施設共同臨床試験の結果に基づくものです。

すべての患者はイマチニブによる前治療歴がありました。患者母集団のうち、イマチニブ抵抗性の患者は73%、27%がイマチニブ治療に不耐、53%が男性、65%が白人、20%が65歳以上でした。

慢性期CML患者の有効性評価項目は、24週目における細胞遺伝学的大寛解率(MCyR)とその持続期間とし、移行期または急性転化期CML患者の有効性評価項目は48週までの血液学的完全寛解率 (CHR)と血液学的寛解率(OHR) としました。

1回以上のボスチニブ投与歴を有し、治療前評価を受けた患者が評価可能患者とされました。登録した患者546人のうち、評価可能とされた503人の内訳は、イマチニブのみの治療歴を有する慢性期CML患者が266人、イマチニブ治療後、ダサチニブとニロチニブのいずれか、または両方の治療を受けた慢性期CML患者が108人でした。残りの評価可能患者129人は、1種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤の前治療歴を有する進行期CML患者であり、その内訳は、移行期の患者が69人、急性転化期の患者が60人でした。

1種類のチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ)による治療歴を有する慢性期CML患者のうち、90人[33.8% (95% CI: 28.2, 39.9)]が24週までに細胞遺伝学的大寛解(MCyR)を達成しました。

2種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤による前治療歴(イマチニブ治療後ダサチニブとニロチニブのいずれかまたは両方を投与)を有する慢性期CML患者のうち、29人[26.9% (95%CI: 18.8, 36.2)]が24週までに細胞遺伝学的大寛解(MCyR)を達成しました。1種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤による治療歴を有する移行期CML患者においては、48週までに、21人[30.4% (95% CI: 19.9, 42.7)]が血液学的完全寛解(CHR)を達成し、38人[55.1% (95% CI: 42.6, 67.1)]が血液学的寛解(OHR)を達成しました。急性転化期CML患者においては、48週までに、9人[15% (95% CI: 7.1, 26.6)]が血液学的完全寛解(CHR)を達成し、17人[28.3% (95% CI: 17.5, 41.4)]が血液学的寛解(OHR)を達成しました。

1種類のチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ)による前治療歴を有する慢性期CML患者のうち、試験期間中ののいずれかの時点でMCyRを達成した53.4%の患者のうち、52.8%の患者は、18カ月間、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)が持続しました。

イマチニブと1種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤の前治療歴を有する慢性期CML患者の32.4%が細胞遺伝学的大寛解(MCyR)を達成し、そのうち51.4%が9カ月以上、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)が持続しました。

546人すべてのPh+ CML患者の安全性データが評価されました。イマチニブのみの治療歴がある287人の慢性期CML患者ボスチニブ治療期間の中央値は24カ月でした。イマチニブと1種類以上のチロシンキナーゼ阻害剤の治療歴がある慢性期CML患者119人、移行期CML患者76人、急性転化期CML患者64人のボスチニブ治療期間の中央値はそれぞれ9ヶ月、10ヶ月、3カ月でした。

安全性解析対象集団の中で最も頻度が高く発生した有害事象(すべてのグレード)で、患者の20%以上に発生したものは下痢、悪心、血小板減少、嘔吐、腹痛、発疹、貧血、発熱および倦怠感でした。重篤な有害事象は、アナフィラキシーショック、骨髄抑制、消化管毒性 (下痢)、体液貯留、肝毒性、および発疹でした。

ボスチニブの推奨用量と投与スケジュールは1日1回500mgを食事と一緒に経口投与し、病勢進行又は許容できない毒性の出現まで治療を継続するものとします。

「薬剤情報のサマリーは、FDAの抗腫瘍薬製品室(ODP)責任者のRichard Pazdur, M.D.氏によって書かれています。
米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (“癌の新治療承認手順の理解”(原文)参照)。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。」

 

原文掲載日

翻訳芝原広子

監修吉原 哲(血液内科/コロンビア大学CCTI)

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