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新規の薬剤併用でハイリスク患者の頭頸部癌を予防できる可能性

• EGFR阻害剤とCOX-2阻害剤の併用は、前臨床試験において有効であった。
• 進行性の口腔前癌病変が、3人の患者で消失した。
• 薬剤併用は、頭頸部癌予防の新しい戦略となる可能性がある。

 

フィラデルフィア―進行性の口腔前癌病変を有する患者に、新規の薬剤併用投与を行うと、頭頸部扁平上皮癌が発生するリスクが減ることが期待される。前臨床試験と臨床試験の解析を含むこの結果は、米国癌学会の雑誌、Clinical Cancer Research誌に掲載された。

 

「頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)は最も一般的なタイプの頭頸部癌です」とDong Moon Shin医師は語った。Shin氏は、エモリー大学医学部の血液内科、腫瘍内科および耳鼻咽喉科教授で、ジョージア州、アトランタにあるエモリー大学、ウィンシップ癌研究所の癌化学予防プログラムの責任者でもある。「SCCHN患者の生存率は非常に低いです。特にきわめてハイリスクの患者は、進行性の口腔前癌病変を有していることにより特定できるので、有効な予防手段が切望されています」。

 

上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)がSCCHNの増殖に関わっていることを示した以前の研究に基づき、Shin氏らは、EGFR阻害剤とCOX-2阻害剤の併用が有効な化学予防的手段となりうると確信した。

 

ヒトSCCHN細胞株における増殖阻害作用は、EGFR阻害剤エルロチニブおよびCOX-2阻害剤セレコキシブを併用したときの方が、いずれかを単独で用いたときより効果が高いことがわかった。さらにマウスにヒトSCCHN細胞を移殖する前に、これらの薬剤を併用投与しておくと、各薬剤を単独投与した場合に比べて癌細胞の増殖がより効果的に抑制された。

 

これらの前臨床解析をもとに、Shin氏らは、第1相化学予防臨床試験を開始した。エルロチニブおよびセレコキシブを投与するため、進行性の口腔前癌病変を有する11人の患者を登録した。患者の組織試料を、治療開始3カ月後、6カ月後および12カ月後に採取し、病理学的に評価した。治療開始前および治療後の生検は7人の患者で施行できた。

 

生検試料の病理学的検査を行った7人の患者のうち3人で、病理学的完全奏功が認められた。すなわち、治療後の生検試料に、前癌病変の形跡はまったくなかった。他の患者のうち、2人は病理学的部分奏功を示し、別の2人では病気が進行した。

 

「いくつかの進行性の前癌病変が、この薬剤併用により完全に消失したという知見は、素晴らしいニュースでした」とShin氏は語った。「進行性の前癌病変が消退することはまれです。したがって、われわれのデータは、分子標的薬の併用による化学予防戦略が有効であるという証明になります」。

 

Shin氏によれば、何人かの患者は、重篤な副作用のため臨床試験を継続できなかったと言う。「短期の治療では、予防は達成できません」とShin氏は述べた。「したがって大規模な臨床試験の前に、この薬剤併用の安全性と毒性について、さらに研究する必要があります。また、例えば天然化合物のようなより毒性の低い、あるいは毒性のない薬剤を用いた併用療法にも注目しています」。

 

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翻訳徳井陽子

監修野長瀬祥兼(研修医/社会保険紀南病院)

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